2009年12月24日

ファミリー盤2


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family - fearless (71 United Artists/US)

前盤【its only a movie】が実質ラストの7枚目、これは4枚目。
凝りに凝った変形ジャケ。英国時代で一番手間(&金)をかけたジャケはこれだろう。
(USのカット盤につき、左肩の丸カットはご容赦のほどを)

いまでこそジャケットを見せるビジュアル本はジャズ/ロック、数多くあるけれどその初っ端は英国ジャケットデザイン界の雄、かのヒプノシスがみずから編集した「album cover album」。ワタシは vol. 5 まで買った。内容としては vol. 1 がやはり濃く、ロック名盤を数多く掲載、のみならずデザイナー個別紹介項もありそこではリック・グリフィン/ロジャー・ディーン/ジョン・パッシュらとともにコッシュも特集されていた ( vol. 1 のみ日本語版もでた)。
その vol. 1 にこのファミリー盤も掲載されてたが扱いは小さくて、表のみだったのでコッシュの意図したところはまったく読者には伝わらなかったはず。
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おわかりでしょうか、見開き分(30×60cm)の紙を3枚使って、それもすべて「型抜き」したうえで5ページつづりのジャケットにしている! なんと贅沢な仕様だろうか。

コンピュータグラフィックの世界、初期に流行ったのがモーフィング。複数の画像を使って、片方から他方へじわじわと変化してゆく、あれ。人の顔が猿に変化したりトラに変わったり、子供が大人に/男が女に…。
ある意味このジャケットのコンセプトは(アナログな)モーフィングだな。横軸・縦軸をたどるとメンバーから別メンバーの顔へと変化するという…。

ファミリーの音楽、もしくはこの "fearless" という盤とモーフィングがどのようにリンクしているのか、そこまではワタシには分からないけれど、次に紹介する凝ったギミック盤にしろ、コッシュはこのバンドと何かを共有していたのだろう。




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手持ちの Album Cover Album vol.1の表裏、かなりヘタった

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posted by Denny_O at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月22日

NOT R'n'R... only a Movie


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family - it's only a movie (73 United Artists/US)

「肝」の(1)がぴたりとハマるコッシュ仕事。タイトルもずばり。
クレジットによればこのジャケ写は1919年の Fox film corp. とあるので往時のガンファイト映画(題名の表記なし)の「スチル」から持ってきている。「銀幕」のスチルということで銀刷り仕上げはしているが他の「ファミリー盤」に較べるとコッシュ的には並み仕事、あっさり片付けた感あり。

裏ジャケ、このフォト囲み形にライン(罫線)がアールデコ、ストーンズ盤とも通ずるところ。(録音のために Rolling Stones Mobile を使っている。ホールでの一発録りのようだが歓声なし。客入れなしでライヴレコーディング?)

渡り歩きベーシスト、ジョン・ウェットンのデビューバンドだが、ファミリーとは Roger Chapman = Charlie Whitney のふたりユニット。残りメンツは毎回の「トラ」でしょう。この盤には前述、トニー・アシュトン参加。ジム・クリーガンも。クリーガンの当時の奥さんがリンダ・ルイス。そしてクリーガンはロッド・スチュワート・バンドのバンマスへ。
コッシュがファミリー/アシュトン&ロード/リンダ・ルイス/ロッド盤のジャケを手がけた。このつながり…コッシュがミュージシャンのかなり近い位置にいた証しだろう。

インナー(歌詞)シート裏には Gun イラスト。ここも気を遣う。
ただし、これはUS盤。オリジナルUK盤の仕様が同じかどうか…。


さてここで問題が…。
何度か書いている、アーティストのレコはその「本国盤」で聴くべきと。
アーティスト以上にこだわってレコジャケを作るのは当然デザイナー…ときには紙の選択から印刷後処理(PP貼り/ニスびき等)まで。となればコッシュ盤ジャケはコッシュが依頼を受けた際のレコ会社の本国盤≠チェックすべき。
英国から米国へcrossing。米国時代はいいが英国仕事は英国盤が欲しい。が、やはりUK盤はなにしろタマ不足、入手は非常に難しい。出てもまず高いしねぇ〜。とてもじゃないが揃えるなどできない。

kosh手持ち盤もほとんどはUS盤です。
少しだけUK盤もあるので <US/UK> は表記します。カナ表記は日本盤。なにも無しはネットからの拾い画像ってことで。


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ファミリーは2枚しか手元にないが、どちらも素晴らしい内容。
英国を代表するバンドになり得たはずが、いったい何が足りなかったのか…。まずはやはりバンド名だよなぁ、、それとルックス?  (T_T)

"In My Own Time" "Spanish Tide" "It's Only A Movie"



posted by Denny_O at 08:02| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月20日

koshの「肝」


今後のコッシュ・ワーク紹介でたびたび話題にするのは以下、
コッシュ三原則、頭の片隅に置いておいてもらいましょう。

koshの「肝」(1)_30年代ノスタルジア

コッシュデザインの基本の「フレーム」。コッシュは囲む、枠を付ける…なぜか。
これは「映画」なんだね。ワタシの想像。
映画のスクリーンというものにコッシュはとことんこだわる。実在のようでもそれはどこにも無い世界、あくまでスクリーンの中だけ=「絵空事」/夢の中…それを見る者にはっきり認識させるべく作品を枠のなかへ入れ込む=Bそれがコッシュだと思ってます。

英国人コッシュだが、1930年代のアメリカンミュージカル映画への憧憬がコッシュの「肝」、デザインのベーシックとなっていると思われる。物も豊かならば大人が大人たりえて、かつ人生を謳歌できた時代…ビジュアルとしてその時代を象徴した映画への思い入れが半端じゃなさそうな、コッシュ。

映画は本編を撮るカメラマン、ムービーカメラマンが当然撮るわけだがそれと、宣伝材料/資料のために撮られるスチルのカメラマンが別にいる。スチールと普通は言うか… "Still" です。絵画でいえば静物画は Still Life 。「静止した」という意味で使われる。
コッシュはジャケットを「スチル」として作成していた。本編映画(=音楽、録音原盤)は別にあって、自分はその映画のスチルとして内容を一発で俯瞰できるジャケットを作る。音楽のスチールカメラマン…それが信条であったとワタシは思っている。

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「ジョン・コッシュ・ストーリー」の制作者も述べていた、コッシュ研究の第一人者(?)が『12インチのギャラリー/LP時代を装ったレコードジャケットたち』(92年「デザインの現場」別冊)の編者、沼辺信一氏。ワタシも出たときにこれは買った、そしてコッシュについてあらたに教えられた。この中で氏が…
「デザイナー、ジョン・コッシュの最高傑作をお目にかけよう。(中略)…映画へのオマージュに貫かれた空前絶後の<仕掛け>と呼ぶべき作品だろう」
と言ったアルバムがずばりハリウッド映画音楽のサントラ/アンソロジー盤である。これをやっとのことで見つけたのが去年の春。仕掛けも見せるために写真が多くなるのできっちり撮影したらアップしますので乞うご期待。コッシュはこの盤のためにジャケットデザイナーになったのだ!といいたくなるほどの出来なので…。(「コッシュ・ストーリー」映像でもちょっと出てるけどね)



コッシュの「肝」(2)_体裁/ギミック

書物にしろサイトにしろ、ジャケットを紹介するモノは数多い。ジャケを四角く切り取った画像として載せるしかないわけで、当たり前に表ジャケのみが大半。しかしデザイナーは表紙のみをデザインするのではなく、裏も(gatefold ならば表1,2,3,4と4面)インナーシート(レコ袋)、場合によってはライナーノーツ、盤面までが仕事。
コッシュの場合はその、表以外の箇所も重要。たとえば前述、ストーンズ【get yer ya's】(70) でいうとフレームこそあるが表はデヴィッド・ベイリーのジャケで、裏こそがコッシュ・ジャケと言える。この写真の囲みフレームがアールデコ的。この形、やはりコッシュジャケの傑作に【family/bandstand】があるがここで使った古いテレビ筐体からと思える。ファミリー盤は72年で後発だが、このテレビはモチーフとして早い時期から暖めていたんだろう、形のみをストーンズ盤で先に試したと…。

コッシュはジャケに使う紙自体にも凝ることもあるのでやはり手にしてもらわないと伝わらない場合も多い。伝わらないといえば「変形」もなかなかにむつかしい。
そうなのだ、コッシュを語るときに<仕掛け>=変形ジャケ (Gimmick Jacket) も重要なモチーフとなることを忘れてはならない。凝り性なのです、コッシュは。またそれが許される(金のかかるジャケだから)ほどの実力者であったという事実。(gatefold =見開き盤も多かった)


コッシュの「肝」(3)_リンダ盤

リンダ・ロンシュタット盤仕事、これがコッシュにとってピークでした。なのでコッシュを語る時は、リンダ前/リンダ時/リンダ後…と分けてもいいくらい。【Eagles/hotel california】は「リンダ時」の盤ということになる。

アップル時代から旧知の Peter Asher とのタッグだな、アッシャー/コッシュ/リンダ…このトライアングルが組めたからこそのリンダ大ブレイクだったと思う。
当然、アッシャー・プロデュースのJT盤ジャケ仕事も「リンダ時」。


↓ストーンズ【get yer ya's】(70) 裏ジャケット

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posted by Denny_O at 09:40| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月19日

Moshe Brakha work


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これも削除してしまったか、かつてブラッカは紹介しました。

ジャケ仕事はそれほど多くない。それでも Devo, Neil Young, Cheap Trick, Sparks, Sting, Ramones..  などのジャケ写やアー写(アーティスト写真)を撮っていた(過去形。いまはコマーシャル仕事ばかり。もともとこっちの人だが)。
なんといってもブラッカを有名にしたのは、ボズ盤【silk degrees】(76) の強烈な写真。


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下のSea Level ファーストに似たシチュエーションでのジャケ写、これもブラッカによる、アメリカン・フライヤーのセカンド (77)。「空に写真をかざす」がよっぽどオキニだったんでしょう。

エリック・カズのバンドなのでファーストもセカンドも買いましたヨ、アメ・フライヤ。しかしどちらも大コケ…とっくのとうに処分しちまったい!


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ultimate なボンボンパフォーマ、ネッド・ドゥイニィ。これはセカンド? クロッパー・プロデュースでソウル色が濃く、人気の一枚。このジャケ、まるでペンギン永井イラストだよね。この陽光さんさんでもストロボがブラッカらしさ。ボズ盤と同76年の、ブラッカ代表作。

(こうして見るにすべてフレームというのは…なぜか kosh 調)

PLAY TUNES
DEVO - Mongoloid
Cheap Trick - I Want You To Want Me
Boz Scaggs - Lido Shuffle
Ramones - Merry Christmas
Ramones - Time has come today



posted by Denny_O at 08:28| Comment(0) | TrackBack(0) | jacket design | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月18日

Pickett in the pocket (74)

pickettPocket.jpg

おっとっと、ジム・プライス盤ジャケにかけてこれを出しておきたかったんだ。
ジャケ話となるとちょっと芋づる的に止まらなくなるからなあ。プールな一枚。
(the band/moondog matinee もあるでヨ〜)

誰の写真というわけでもなく、盤としてもあのピケット盤には違いないがほぼ無視された時期の一枚。それでも<マッスル紹介>でも持ち上げた…内容もジャケも非常に素晴らしいお皿。
詳細は…↓
http://www.whink.net/denny/pete/19.html
posted by Denny_O at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | jacket design | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月17日

コッシュ/ブラッカ

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sea level (77 capricorn)

カプリコーン盤でのコッシュ、そうでした、これも。

オールマンズからの分派=JJジョンソン/ラマー・ウィリアムズ/チャック・レベルにギタリストが加わっての四人でスタートしたバンド。面子的にはハマるはずだが…やはり手が出ない。加藤和彦のいないミカバンドはアリですか? つまりこのバンドはサディスティックスのようなもの。インストゥルメントに特化した別バンドと割り切れば…それでもどんな音? ほとんど興味なし。
レコハン歴ウン十年、このバンドの盤を見ないときはほとんどない…くらいに安レコのチャンピオン。下は100円からせいぜい800円どまり。


77年のデビュー盤。これは珍しいレコ。というのは、design: Kosh, photo: Moshe Brakha 。コッシュとブラッカ(正確な発音は分からない。便宜的にモシュ・ブラッカとする)のコラボとはこれ1枚だろう。
白枠はコッシュだが、この盤はほとんどブラッカのセンスで押し通した盤。ブラッカは強烈なんでね、どれでもデザイナーの仕事は少ない、すべてはブラッカの写真ジャケ盤=B

ブラッカ写真…、「日中シンクロ」。日のあるところ/光量充分な場所でもストロボをシンクロさせて明度・彩度を上げるのが特長。とにかく vivid color photo …ワタシ大好きです。なので次に書く。


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翌78年のセカンド。ご覧のごとく、これまた Kosh - Brakha 路線…と思いきやデザイナー/カメラマンともに別人。フレームはともかくとして写真はシンクロストロボ/ヴィヴィッドカラー、もろにブラッカ調なのに驚く。驚きは続く、これを撮ったのが(コッシュの相方)デヴィッド・アレキサンダーとは…。それでもコッシュ・デザインではない、どういうわけなんだ。大滝【each time】のジャケイラストがペンギン永井氏じゃなかったことの驚き、あれに近いな。
posted by Denny_O at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月16日

Xmas card from a hooker in Minneapolis

下の「あれ」ってのは、これのこと。
tom waits - blue valentine (78 asylum)

もう削除してるが、このブログの最初頃にクリスマスに欠かせない個人的ナンバーとしてここに収録の[ミネアポリス在のオネエちゃんからのクリスマスカード]…これが泣けるンだわ!と書いた。今も変わらぬゆえこの盤はオキニな一枚…のはずがこれまた無い。
いやもう我ながらズサンな管理、てか闇雲に処分してしまう悪い癖。


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表の顔アップではなく裏ジャケのほう。拾い画像ですが、ん〜、思ったほど似てないか…。まあ中古アメ車とブロンド美人…。

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この、後ろ姿美人がデビュー前のリッキー・リー・ジョーンズ…なんて噂だったけど。
design & AD by Ron Coro ロン・コロ、この人もジャケット界では著名なひとり。






この歌詞はもう、ひとつの短編小説、american short story... 。

ねぇ、チャーリー、
いろいろあったけれどいまアタシはトロンボーン吹きの
旦那と、生まれそうな子供と、うまくやってるのよ…
なんて「嘘」をつかずにいられない nighthawk 女からの
クリスマスカード。最後には
ごめんね、全部嘘…ねぇお金貸してくれる?
パクられちゃってて仮出所するには
弁護士に払うお金が必要なのよ…、と。

さてチャーリーはこの女の「前の男」なんでしょうか、
なんで現住所まで教えてしまってるかなぁ…。
女は「仕事」でパクられてるのか、ドラッグか…。
チャーリーは結局送金したか否か…。

書いた女の哀しさも、もらった男の悲しさも…
身につまされるわけじゃないけれど、
幸せなクリスマスばっかりじゃあないんだよなぁと
聴く度にしみじみさせらてしまう曲なのです。

あんたにもらった little anthony & the imperials の
"Goin' out of my head" はまだ持ってるよ…
これだけは本当なんだよなあ。
テディ・ランダッツォの名曲だぁね。
posted by Denny_O at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする