
#135
"Swamp Dogg!/Cuffed, Collared & Tagged"
( '72 Cream/Us)
<A:★★★★>
"Swamp Dogg!/Cuffed, Collared & Tagged"
( '72 Cream/Us)
<A:★★★★>
ピート参加盤、確認済み/未入手盤はあと10枚程度。レコハンには過去それなりに時間を使ってきたが、それでも出てこぬ盤ら…ハードルは高いが、ひょいっと出てくるかも。まだまだ終われぬこのカテゴリ…。
これがひょっこり出てきました、久々にピート参加のマッスル盤をゲット。過去 #120/121 と2枚紹介したスワンプ・ドッグのレコですわい。ピート的には満足できる一枚。スワンプドッグ(=ジェリー・ウィリアムズ)がらみ盤(Freddie North, Irma Thomas など含む)では Pete Carr ではなく、かならず Jesse Carr 名義のピート。こちらジェシ盤ではどれでも弾くね〜、オブリ/リードと弾きっぱなしだわ。
その音(全体としてもギターをとっても)が、実に“イナタイ”。これはプロデュースの問題だろう。たとえばロッドの「アトランティッククロシング」とここではまるでギターの音が違う。ダウドによって磨かれた音像と、スワンプドッグのざらざら音像…マスタリングといって、たんに全曲のレベル合わせしかしていないんじゃないかな、これって。アンプの前に立てたマイクから拾った音をすべて卓にいれてそれをマスタテープに突っ込んだだけというラフな感覚。けしてけなしているわけじゃない、(ロッド盤も最高で…)これはこれでサザーンな、南部ローカル臭がじつに気分なのです、イイヨ。
「クリーム」というロスのレーベルからというのがまず意外だった。たま〜に見るんだよな、このレーベル盤。記憶のなかでは(裏ボズ・スキャッグスこと)ビル・ハウスがメンツのひとりとなっていたグループ、名前は忘れましたが、そこの盤もこのレーベルから。ドン・ニックスにもたしかあったねえ。ちょいと完全リリース・ディスコグラフィを見てみたいレーベル。
でもって、“イナタイ”存在のドッグ兄にしてはジャケットデザインがよく出来ているのでこれも意外。なにしろカメラはかの Norman Seeff! デザインが Dean O. Torrence for KittyHawk Graphics。スワンプドッグとジャン&ディーンのディーン、北と南、北極と南極みたいな顔合わせじゃないスか。これ、裏ジャケのほうが良く出来ているンだよなあ。四角の枠紙を持っただけだがシーフ独特のシェイドがうまく噛んで「おや?」と思わせるデザインが秀逸。こちらを表にすればよかったと思う。

ロスからの盤ですが、録音はもちろんディ〜プサザ〜ン、ドッグ兄のシマ、Quinvy Studio, Muscle Shoals 。もう一箇所フィリーのスタジオとあるがそれは弦入れのみでしょう。
全曲が Jerry Williams/pf, Jesse Carr/gtr, Clayton Ivey/organ, Court Pickett/bass, George Soule/dr. 編成で。四人衆は出てこないのがクィンビー録音盤の特徴、マッスルBチームですな。コート・ピケットは Sailcat の片割れ。ソロ盤は #048
カバー3曲、ジョン・プライン/ジョー・サウス、それに "Lady Madonna" を。エロだかなんだか女声あえぎ声ばかりの変な曲もあるけどそれもこの人らしい。全体には曲もかなり良くてじっくり聴かせる盤。過去2枚よりも出来はずっといい。
蛇足:#120『Total Destruction to Your Mind』は、どうやらブート/リプロ盤でしたね。カラージャケ盤を見たので、そっちがオフィシャルでしょう。
Pete Carr/Muscle Shoals Archives homepage