2010年03月23日

kosh_waldman

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【Wendy Waldman/Strange Company】('78 Warner)


Linda Ronstadt のジャケ、何枚続けてコッシュがデザインしただろう…というほどに多い。そして力が入った、彼の代表作はやはりリンダ一連仕事。
しかしリンダの盟友 Wendy Waldman 仕事はこの一枚だけ。

上からジャケ表/裏/インナー/その右隅のアップ。
ジェスロ・タルの代表盤をはじめとしてトム・ウェイツやエリック・バードン&ウォーやら…昔から多い「News Paper」ジャケ。ここでは national GOSSIP なる芸能新聞てなところでしょうか。シングルジャケで、インナーシートの表裏を含めて「4ページ仕立て」、表ジャケから page 1〜4とノンブル≠入れている。

ロスやマッスル録音をしてきたウェンディ、一流のセッションメンをバックに起用していたがこの盤では4人の固定、Wendy Band との録音。音楽界に "Punk激震”でアメリカの業界も否応なく変化させられた感あり(SSW時代は終焉した)。まあアメリカではパンクというよりもパワーポップだが…、この盤もそんな一枚。

++++++


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【Linda Ronstadt/Mad Love】('80 Warner)

そんな時代変化にリンダも否応なく¢ホ応。これもコッシュのデザインではあるがある種パンクっぽさが…。「微に入り細に入り」がコッシュの真骨頂なのにかなり「ラフっぽく」仕上げている。
リンダにしろコッシュにしろどこか無理があったはず。リンダは早々にスタンダード/ノスタルジア路線へ変更する。もちろんそこではコッシュが我が意を得たり=A抜群のジャケを作っていくこととなった。

この盤ではリンダ(プロデュースのアッシャーだが)もウェンディ同様に過去のプレイヤーとは一線を画す若手をバックに起用。そのコアとなったのが Wendy Band から流れた Mark Goldenberg 。




ちょっと無理してパンキッシュに歌うリンダ…。コーラスがウェンディ・ウォルドマン。ドラムこそラス・カンケルだが他は Wendy Band のメンバーじゃないかな。
posted by Denny_O at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月12日

kosh/ジャケはUS制作?

Great KOSH の五指に入る傑作ジャケット【family/bandstand】'72 をやっと買えた。米 United Artists 盤ではあるけれど。
変形を見てもらうのはやはり映像のほうが…で、UTを利用してみた。いや、喋るのは思いの外難しいネ。
前にも書き入れている盤だが、満足度120%…実に素晴らしい、アナログレコードとして特筆に値する名ジャケットと実感。




右隅の「コーナーカット」が惜しい、アメリカ盤ゆえ…。
しかしこの盤をじっくり見ていて思ったことがある。何度も「英国バンドはUK本国盤をチェックすべし」と書いてきたが…変形に関しては違うかも知れない、と。

このファミリー盤は米国制作ジャケットが本国盤≠カゃないのかという事。英国盤も盤自体はUK制作でもジャケットはUS制作して輸入し代用していたのではないだろうか。
UKのジャケ制作現場にこのように手の混んだ変形ジャケットを制作するノウハウが、まったく無かったとは言わないが乏しかった…ので、変形はアメリカに制作を委ねていたんじゃないかと思えてきた。
この盤に小さく "UNIPAK U. S. Patent No. 3,426,960 " 表記がある。

ロッドの、これもオリジナルは素晴らしい変形ジャケット盤、【never a dull moment】と【every picture tells a story】には共通して以下の表記、
"packaging- Album Graphic Inc., Chicago, Patent No. 3,556,391"
それとこれも傑作変形のフェイセス【ooh la la】、パテント表記こそないが album design by Jim Ladwig, AGI とあり、インサートで特大歌詞シートが。

すべてUS盤での話だが、UK本国盤のこの箇所表記が英国会社へと変わっているとはちょっと思えない。
AGIはロスへ渡ったコッシュもかなり関係していたアメリカ最大の音楽関連デザイン会社。ロッド/フェイセスはじめUK勢もかなり早い時期から「ゴージャスな変形ジャケならやっぱりアメリカだよな」…となっていたんじゃないだろうか。
やはりコッシュデザインの【donovan/cosmic wheels】あたりも同様、USジャケ制作盤と感じる。
posted by Denny_O at 07:37| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月07日

マッスル3枚

そうでした、Muscle Shoals Rhythm Section の David Hood とMacon Rhythm Section の Scott Boyer は現在一緒にバンドを、 The Decoys をやっていて昨年に Donnie Fritts のバックとして来日していたんだヨナ。まったく不義理と申しましょうか、行かなかった…。カウボーイ曲を演ったのだろうか。いやネ、そのデコイズの myspace では新録の[all my friends]を聴けるンだが…やっぱりワタシのなかでは、違う。
その来日で、友人は「よかった。誰やら知らぬギターのおやじがめっちゃよかったワ」とも。はてそれは誰かいナと思って今更来日フライヤーをネットで見てみた。
Kelvin Holly(the Amazing Rhythm Aces) とある。

ARAにケルヴィンなんていたっけ? ワタシの記憶のギタリストと違うナ…とはいえARAは何枚アルバムだしているのか、2枚しか聴いてないヨ、わたしゃ。フライヤーには Scott Boyer(ex-Cowboy) とある。ならばカウボーイは過去のバンドでARAは現在も活動中?

1枚はまだ持っていたよなァと棚を漁って見つけたこの盤、見返せばマッスル関連盤であったので再チェック。それと、ARAのコアであったラッセル・スミス盤はピート参加ゆえリストアップしていたが、ごく最近やっと見つけたのでこれも入れましょう。それと、もう一枚のマッスル盤、まったく無印であった盤もゲットしたので都合3枚を…。


amazingRhytym.jpg

 #140
【The Amazing Rhythm Aces】
( '79 ABC)
< ー : ★★>
produced by Jimmy Johnson

ジミー・ジョンソン・プロデュースのマッスル録音。メンフィス・ベースのバンドだったかな。この盤では6人編成、バンドなのでマッスル勢は演奏には基本ノータッチ。special thanks にフッド/ホーキンスの名はあるがマッスル色はほぼ無し。
カントリー風味の聴きやすい盤は、ある意味イージーリスニング。あっさり流せる感もあり…。アル・グリーン曲を歌っても「白い」。ジョーン・バエズ/トレイシー・ネルソンがコーラス参加。

個人的に惹かれたのはギター。Duncan Cameron 、エイモスばりの複弦弾きはなかなかの旨味。



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 #141
【Russell Smith】
( '82 MSS/Capitol)
< B : ★★>
produced by Barry Beckett & Jimmy Johnson

アメイジング・リズム・エイシスの中心であったラッセル・スミスのソロ盤。過去デルバート・マクリントン/レボン・ヘルム/フランキー・ミラーなどがあったマッスル・ショールズ・サウンド・レコード(キャピトルのdistribute)盤、これもその一枚。
ARA盤同様にカントリー色漂うアッサリ盤であるナ。ごくごく普通のポップスLP。
キーボードでベケット/ギターにピート・カー参加。しかしリズム隊は Larrie Londin / Joe Osborne 。ナッシュヴィル一(いち)の売れっ子ドラマー、ロンディンやロスのオズボーンがマッスルへ…全曲マッスル録音盤。

3曲でピートが弾く(1曲はドブロ)。82年のピートらしいダブルトラック(ひとりツインリード)は悪くない…が、全盛期とはかなり違う音色/タッチ。

ジャケ写、なぜかノーマン・シーフ。この人もけっこう細かい仕事をこなしてましたなァ。



NicholasLampe.jpg

 #142
【Nicholas Lampe/it happend long ago】( '70 Cotillion)
< ー : ★>
produced by Ahmet Ertegun / Jackson Howe

recorded at Muscle Shoals Sound Studio Alabama
engineer: Marlin Greene,   strings by Arif Mardin

guitar: Nicholas Lampe / Jimmy Johnson / Eddie Hinton
drums: Roger Hawkins,    kbd: Barry Beckett
bass: David Hood

全曲オリジナルのSSW盤。不慮の事故死が惜しまれるアトランティックのボス、アーティガンがわざわざプロデュースを買って出た盤…こんなマッスル盤があることを知らなかった。アトランティック傘下、コティリオンから。

バックメンバーもきっちり四人衆とヒントン、エンジニアはマーリン・グリーンと申し分のないマッスル録音レコードはボズ盤と同時期だろう、マッスルとしては最初期盤となる。(ピートはまだメイコンにいた時期)

しかし…聴いてがっかり、なにも惹かれるモノがなかった。曲だめ、声だめ、演奏もさっぱり…。
裏ジャケに "listen twice" "Jesus Christ" とアルバムタイトルのように大きく文字を入れている。それとクレジットに spiritual advisors なんてのがある( Dion / Kenny Rankin の名前が4人のうちのふたりとしてある不思議)。
そこで思い出した。マーリン/ジーニー・グリーン盤がやはりマッスル盤であったが「キリスト」色が非常に濃い盤であったこと。このニコラス某もお仲間と見た、コア・クリスチャン・サークルのレコード。

++++

3枚を聴いてつくづく感じたのは、マッスルは…「早すぎてもだめ遅すぎてもだめ」。70年は早すぎる、82年では遅すぎる。旬≠ェことのほか短かったということ。
posted by Denny_O at 10:37| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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