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「FM」、2枚組サントラLP。これもコッシュ・デザイン盤。
78年。まあコッシュにとって Peak かもしれない。コッシュがもっともコッシュらしかった時。
フリードローイング文様がバック、ポロックの筆づかいのような…。そこに「FM」文字の銀箔押しが光る。
とにかく文字…書体がコッシュの「お約束」物。この時代の。
外よりも内側、内見開き両面のほうがコッシュらしくて良い。行間/級数を含めた文字の扱いが、平面構成が細部まで行き届いている仕事…プロのなかのプロ、それがコッシュ。
ウィキの「コッシュ項目」にはジャケ仕事としての記載がかなりあるが、ん〜?マジそうだっけ?と思わせる盤も少なくない。ストーンズの八角盤「スルーザパスト」、これもコッシュですかい? Tレックスの「タンクス」も…そうだったかなあ…。
コッシュ連載をアーカイヴとはしているがけしてパーフェクトは望まず。そこらのネット表記をまんま写すまねはしないように、極力実際に手にした盤を書くつもり。

それでもこの盤、「steve miller band/living in the 20th century」は昔持っていたがコッシュとなっていた気がする。「らしさ」はほとんだない仕事だったが…いや、メインモチーフの馬上の騎士はデコだね、アールデコの彫像から取ったと思えるから「らしい」か。
そのSMバンドのみならず、このサントラ{FM}収録アーティストのうち、イーグルス/ダン・フォーゲルバーグ/ジミー・バフェット/ランディ・マイズナー/トム・ペティ/リンダ/JTのジャケをコッシュも手がけているところからして、この盤のジャケの適任者がコッシュであったことは理解できますな。タイトルチューン(というか映画題名が…)がスティーリーダンによる、そしてダン・ファミリーの中核たるゲイリー・カッツの名前もある(mastered by Gary Katz) が、SDジャケにはコッシュが関わらなかったのはちょいと意外。唯一の接点はこのサントラ。
ところでこの盤はグラミー授賞レコード。それは "best engineered album" とあるが、ならばカッツが受けたということだろうか。クレジットにエンジニアの名前はない。
それにしても既存有名曲ばかりでなんら真新しさのない、唯一の書き下ろしがSDのチューン(そうではなくて、もともとSDが "FM" という曲を作っていた、それにインスパイアされて映画製作になったという説もあり)のみ、カッツは全曲を本当にリマスタリングしたのか?(なにもせずにグラミーが取れていたりして)
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この映画を観たという人はおりましょうや? 凡作・駄作としか評価されていないようですが、まあ観ないことには何も言えませんナ。ところでジャケに意外な顔がある。出演者のひとりに「マーチン・マル」。俳優なのだから「意外」は変か…。コッシュはそのマル盤ジャケまで手がけているとウィキにはあるが、さて…。