
#157
【Jimmy Ruffin/Sunrise】
produced by Robin Gibb & Blue Weaver
( '80 RSO)
<★:★★>
只今ツイッタに Pete Carr archives を連載中なんだが、そのからみでピートの参加盤を1枚みつけた。これはマッスルショールズはまったく関係無く、ピートの地元フロリダでの仕事。盤は80年録音、同時期にピートは、バリー・ギブの仕切りによるバーブラ・ストライザンドLP【Guilty】に参加していた。これはフロリダ/クライテリア録音で、そのからみというか連続して参加したということと思える。
ディスコヒットで大当たりしたザ・ビージーズはギブ三兄弟だが、そのブレイクが一段落した80年頃、たぶんクライテリア・スタジオをギブ三兄弟が買い取った_そのオーナーはビージーズであったはず。
ここで紹介するのはバリーの弟ロビン・ギブ(&ブルー・ウィーヴァー)プロデュースによるジミー・ラフィン盤。
ジミー・ラフィン。全盛時テンプスのリード・シンガーだった弟デヴィッド・ラフィンに知名度は劣るとはいえ、同じモータウンに所属した中堅シンガー。何といっても66年の名曲 "What becomes of the broken hearted" 、ジミー・ラフィンといえばこれ。いまウィキったら、驚いた_先週 11月17日に78才で死去…。
そのジミー、70年代半ばにモータウンを離れたがしばらくは鳴かず飛ばずだった様子。で、逆に飛ぶ鳥を落とす勢いのビージーズのお眼鏡にかなったということかな、このアルバムでカムバック。ここから、十数年ぶりのトップ10ヒットが生まれている。
しかし聴くに…古くからのファンにはそこそこウケたのだろうか、アップ/ミディアム/メローなナンバーをほどよく配したアルバムだが、個人的にはほぼダメだった。メロディに冴えなし。ほぼ全曲をプロデュース・チーム、ロビン&ウィーヴァーが書いているが正直長兄バリーほどには才能無いかも…ロビン。
全体に中途半端な感じ。ディスコでもなくAORというほどの締まりもない。マイアミ録音らしい(いい意味での)軽さも感じられない。
セッションは前年79年にNY録音で4曲/80年にクライテリアにて5曲録り。ピート・カーは後者5曲に参加だが、ソロらしいプレイはなく地味に弾いているので、これまた採り上げ所がない仕上がりでしかない。
1曲がデュエット_相手はマーシー・レヴィ。クラプトン・バンドのシンガーだったマーシー。そのバンドからジョージ・テリーも参加し、他にもチョコレート・ペリーやジョー・ララ、チャック・カークパトリックなどフロリダ南部サウンドの雄も参加しているがサザーンな滋味≠ヘ皆無。ピートも含めて皆「お仕事に徹している」。
フロリダ・ミュージシャンも参加だが、メインのリズム隊はビージーズのお抱えバンド。ご存じだろうか、ピーク時のビージーズを支えた三人組で、録音・ステージ両面で常に三兄弟をバックアップしていたバンド。
実はいまネチって意外な事を知ったので追記する。その三人とは Blue Weaver / Alan Kendall / Dennis Bryon だが皆英国人だった。ビージーズ兄弟も英国人だから分からなくもないか…。
うちウィーヴァーとブライオンの二人は元 Amen Corner 〜 Fair Weather 。アンディ・フェアウェザー・ロウと行動をともにしていたミュージシャンだった。ビージーズの英国活動期から対バンで知り合い…そんな関係か。
蛇足:裏ジャケに写るスペイン風の家だが、クラプトン盤「461オーシャン」のあの家の側面_横から…じゃないだろうか?
