2009年12月20日

koshの「肝」


今後のコッシュ・ワーク紹介でたびたび話題にするのは以下、
コッシュ三原則、頭の片隅に置いておいてもらいましょう。

koshの「肝」(1)_30年代ノスタルジア

コッシュデザインの基本の「フレーム」。コッシュは囲む、枠を付ける…なぜか。
これは「映画」なんだね。ワタシの想像。
映画のスクリーンというものにコッシュはとことんこだわる。実在のようでもそれはどこにも無い世界、あくまでスクリーンの中だけ=「絵空事」/夢の中…それを見る者にはっきり認識させるべく作品を枠のなかへ入れ込む=Bそれがコッシュだと思ってます。

英国人コッシュだが、1930年代のアメリカンミュージカル映画への憧憬がコッシュの「肝」、デザインのベーシックとなっていると思われる。物も豊かならば大人が大人たりえて、かつ人生を謳歌できた時代…ビジュアルとしてその時代を象徴した映画への思い入れが半端じゃなさそうな、コッシュ。

映画は本編を撮るカメラマン、ムービーカメラマンが当然撮るわけだがそれと、宣伝材料/資料のために撮られるスチルのカメラマンが別にいる。スチールと普通は言うか… "Still" です。絵画でいえば静物画は Still Life 。「静止した」という意味で使われる。
コッシュはジャケットを「スチル」として作成していた。本編映画(=音楽、録音原盤)は別にあって、自分はその映画のスチルとして内容を一発で俯瞰できるジャケットを作る。音楽のスチールカメラマン…それが信条であったとワタシは思っている。

++++

book_recordjacket.jpg

「ジョン・コッシュ・ストーリー」の制作者も述べていた、コッシュ研究の第一人者(?)が『12インチのギャラリー/LP時代を装ったレコードジャケットたち』(92年「デザインの現場」別冊)の編者、沼辺信一氏。ワタシも出たときにこれは買った、そしてコッシュについてあらたに教えられた。この中で氏が…
「デザイナー、ジョン・コッシュの最高傑作をお目にかけよう。(中略)…映画へのオマージュに貫かれた空前絶後の<仕掛け>と呼ぶべき作品だろう」
と言ったアルバムがずばりハリウッド映画音楽のサントラ/アンソロジー盤である。これをやっとのことで見つけたのが去年の春。仕掛けも見せるために写真が多くなるのできっちり撮影したらアップしますので乞うご期待。コッシュはこの盤のためにジャケットデザイナーになったのだ!といいたくなるほどの出来なので…。(「コッシュ・ストーリー」映像でもちょっと出てるけどね)



コッシュの「肝」(2)_体裁/ギミック

書物にしろサイトにしろ、ジャケットを紹介するモノは数多い。ジャケを四角く切り取った画像として載せるしかないわけで、当たり前に表ジャケのみが大半。しかしデザイナーは表紙のみをデザインするのではなく、裏も(gatefold ならば表1,2,3,4と4面)インナーシート(レコ袋)、場合によってはライナーノーツ、盤面までが仕事。
コッシュの場合はその、表以外の箇所も重要。たとえば前述、ストーンズ【get yer ya's】(70) でいうとフレームこそあるが表はデヴィッド・ベイリーのジャケで、裏こそがコッシュ・ジャケと言える。この写真の囲みフレームがアールデコ的。この形、やはりコッシュジャケの傑作に【family/bandstand】があるがここで使った古いテレビ筐体からと思える。ファミリー盤は72年で後発だが、このテレビはモチーフとして早い時期から暖めていたんだろう、形のみをストーンズ盤で先に試したと…。

コッシュはジャケに使う紙自体にも凝ることもあるのでやはり手にしてもらわないと伝わらない場合も多い。伝わらないといえば「変形」もなかなかにむつかしい。
そうなのだ、コッシュを語るときに<仕掛け>=変形ジャケ (Gimmick Jacket) も重要なモチーフとなることを忘れてはならない。凝り性なのです、コッシュは。またそれが許される(金のかかるジャケだから)ほどの実力者であったという事実。(gatefold =見開き盤も多かった)


コッシュの「肝」(3)_リンダ盤

リンダ・ロンシュタット盤仕事、これがコッシュにとってピークでした。なのでコッシュを語る時は、リンダ前/リンダ時/リンダ後…と分けてもいいくらい。【Eagles/hotel california】は「リンダ時」の盤ということになる。

アップル時代から旧知の Peter Asher とのタッグだな、アッシャー/コッシュ/リンダ…このトライアングルが組めたからこそのリンダ大ブレイクだったと思う。
当然、アッシャー・プロデュースのJT盤ジャケ仕事も「リンダ時」。


↓ストーンズ【get yer ya's】(70) 裏ジャケット

stones_GetYer_back.jpg


posted by Denny_O at 09:40| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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