その来日で、友人は「よかった。誰やら知らぬギターのおやじがめっちゃよかったワ」とも。はてそれは誰かいナと思って今更来日フライヤーをネットで見てみた。
Kelvin Holly(the Amazing Rhythm Aces) とある。
ARAにケルヴィンなんていたっけ? ワタシの記憶のギタリストと違うナ…とはいえARAは何枚アルバムだしているのか、2枚しか聴いてないヨ、わたしゃ。フライヤーには Scott Boyer(ex-Cowboy) とある。ならばカウボーイは過去のバンドでARAは現在も活動中?
1枚はまだ持っていたよなァと棚を漁って見つけたこの盤、見返せばマッスル関連盤であったので再チェック。それと、ARAのコアであったラッセル・スミス盤はピート参加ゆえリストアップしていたが、ごく最近やっと見つけたのでこれも入れましょう。それと、もう一枚のマッスル盤、まったく無印であった盤もゲットしたので都合3枚を…。

#140
【The Amazing Rhythm Aces】
( '79 ABC)
< ー : ★★>
produced by Jimmy Johnson
【The Amazing Rhythm Aces】
( '79 ABC)
< ー : ★★>
produced by Jimmy Johnson
ジミー・ジョンソン・プロデュースのマッスル録音。メンフィス・ベースのバンドだったかな。この盤では6人編成、バンドなのでマッスル勢は演奏には基本ノータッチ。special thanks にフッド/ホーキンスの名はあるがマッスル色はほぼ無し。
カントリー風味の聴きやすい盤は、ある意味イージーリスニング。あっさり流せる感もあり…。アル・グリーン曲を歌っても「白い」。ジョーン・バエズ/トレイシー・ネルソンがコーラス参加。
個人的に惹かれたのはギター。Duncan Cameron 、エイモスばりの複弦弾きはなかなかの旨味。

#141
【Russell Smith】
( '82 MSS/Capitol)
< B : ★★>
produced by Barry Beckett & Jimmy Johnson
【Russell Smith】
( '82 MSS/Capitol)
< B : ★★>
produced by Barry Beckett & Jimmy Johnson
アメイジング・リズム・エイシスの中心であったラッセル・スミスのソロ盤。過去デルバート・マクリントン/レボン・ヘルム/フランキー・ミラーなどがあったマッスル・ショールズ・サウンド・レコード(キャピトルのdistribute)盤、これもその一枚。
ARA盤同様にカントリー色漂うアッサリ盤であるナ。ごくごく普通のポップスLP。
キーボードでベケット/ギターにピート・カー参加。しかしリズム隊は Larrie Londin / Joe Osborne 。ナッシュヴィル一(いち)の売れっ子ドラマー、ロンディンやロスのオズボーンがマッスルへ…全曲マッスル録音盤。
3曲でピートが弾く(1曲はドブロ)。82年のピートらしいダブルトラック(ひとりツインリード)は悪くない…が、全盛期とはかなり違う音色/タッチ。
ジャケ写、なぜかノーマン・シーフ。この人もけっこう細かい仕事をこなしてましたなァ。

#142
【Nicholas Lampe/it happend long ago】( '70 Cotillion)
< ー : ★>
produced by Ahmet Ertegun / Jackson Howe
recorded at Muscle Shoals Sound Studio Alabama【Nicholas Lampe/it happend long ago】( '70 Cotillion)
< ー : ★>
produced by Ahmet Ertegun / Jackson Howe
engineer: Marlin Greene, strings by Arif Mardin
guitar: Nicholas Lampe / Jimmy Johnson / Eddie Hinton
drums: Roger Hawkins, kbd: Barry Beckett
bass: David Hood
全曲オリジナルのSSW盤。不慮の事故死が惜しまれるアトランティックのボス、アーティガンがわざわざプロデュースを買って出た盤…こんなマッスル盤があることを知らなかった。アトランティック傘下、コティリオンから。
バックメンバーもきっちり四人衆とヒントン、エンジニアはマーリン・グリーンと申し分のないマッスル録音レコードはボズ盤と同時期だろう、マッスルとしては最初期盤となる。(ピートはまだメイコンにいた時期)
しかし…聴いてがっかり、なにも惹かれるモノがなかった。曲だめ、声だめ、演奏もさっぱり…。
裏ジャケに "listen twice" "Jesus Christ" とアルバムタイトルのように大きく文字を入れている。それとクレジットに spiritual advisors なんてのがある( Dion / Kenny Rankin の名前が4人のうちのふたりとしてある不思議)。
そこで思い出した。マーリン/ジーニー・グリーン盤がやはりマッスル盤であったが「キリスト」色が非常に濃い盤であったこと。このニコラス某もお仲間と見た、コア・クリスチャン・サークルのレコード。
++++
3枚を聴いてつくづく感じたのは、マッスルは…「早すぎてもだめ遅すぎてもだめ」。70年は早すぎる、82年では遅すぎる。旬≠ェことのほか短かったということ。