その後の地道なソロは’通ウケ”はしたけれど…そんな Mr. Sweet Soulful Man 。
(ちなみに下にいれたジェリー・ラファティ【city to city】でもギターを弾いている。そうだ、WHO/Who are you? にもアンディの名前があったな。なかなか顔は広い?)


"Andy Fairweather Low/Spider Jiving" (74 US/A&M)
この盤は74年、ソロの一発目。前作にあたるのが70年、フェアウェザー名義での唯一盤 [beginning from an end] だから4年ぶりのレコ。「ビギニング」のジャケは KEEF だったがファーストソロはわれらが KOSH デザイン。Kから始まる四文字デザイナーの続きですネ。
その前に内容ですが。プロデュースが Elliot Mazer …というだけでどういう立ち位置のレコか、当時のアンディの心境か知れるというもの。ま、世界で一番「ザ・バンド」が’偉かった”時代、英国勢はこぞって米国アーシーサウンドをもとめてフラフラしていたわけで。
アンディが頼ったのはナッシュビル・キャッツ。ニール・ヤング/エリアコード615のプロデューサーだったメイザーを起用。しかし米国一辺倒に成りきれないのがカーディフの血か、好サポートをみせているのがギタリスト、ヘンリー「真っ黒け」、リズム隊もクリッシー・スチュワート/ウィングズのデニー・シーウェル(ただしこの人は確か米国人)でのセッション。ケニー・バトリー/チャリー・マッコイ/バディ・スピッチャーらも当然参加だが録音はナッシュビル{クアドラフォニック}とフリスコ。マーク・ナフタリン/ジョン・カーンらフリスコ勢の参加に、南部からメンフィス・ホーンズ/マリー&ジンジャー・ホリデイのコーラス等々、ごちゃまぜ面子盤。女性SSWとしてアルバムを数枚残したダイアン・デヴィッドソンなんて名前も…。
いい面子でいい音を出してはいるけれど、曲がちょっと弱いかなあ…。
++++++
シングルジャケだがそこはコッシュ、両面型抜きのギミックジャケとした。
表、全面エアブラシの一枚イラストにネーム/タイトルを載せ。なぜ星かわからないが("spider jiving" て何?)、シェイドを活かしたキレイな仕上がり。写真が前後するが最後を見てもらおう、グリーンバックは双角を見てのとおりに“粗め”にブラシを吹いている。これは後述するが【hotel california】へと続くことになる。
表は大きく丸くカット、内袋の single label が見える仕様、これは後の12インチシングルを思わせるギミック。そして裏は、金貨/紙幣がマジックで出てきた…の図。
この裏ジャケのほうがコッシュらしい出来ばえ。このジャケのための撮影かそれとも過去の「あり物」流用かちょいと迷うが…まず昔ムービーのスチルだろうな。マジシャンの顔があまりにそれっぽいので。
コッシュのハリウッド趣味/映画趣味からして、コッシュ印の「枠囲み」でもあるし、こちらがメインであったと思うのだ。
これをジャケとして製作したけれどレコ会社からダメ出しくらって(アンディの音楽との関連が薄すぎるとワタシも思うが…)、仕方なく裏へ回したんじゃなかろうか。アンディの丸ワク写真がかなり唐突な印象…無理に入れさせられた?
やはりコッシュ・デザイン盤にELOがある、そちらへとっておけばよかったのに…この裏は。というか、同年のELO盤【エルドラド】のジャケと類似するねぇ、と思ったから調べたら、違った。この盤はコッシュではなかったワ、しかし実にコッシュlike なジャケ。
これは映画「オズの魔法使い」のスチルらしい。

蛇足: おっと、今思い出した。Tレックスが、ヒプノシスとコッシュが交差した唯一バンドかもと書いたけれどこのELOもそうでしたワ。デビューだったかな、電球アップのジャケ、凡作だがあれはヒプノシスであったはず。
裏ジャケ、まさかアンディ本人がマジシャンに扮しているってこと…な・の・か?