2010年11月19日

KOSHのBISH


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このビッシュ盤、コッシュにとって傑作な部類の一枚…というよりもコッシュらしさが全面に出た一枚というべきか。

「コッシュとは…“ムーヴィー”である」と、思っています。
コッシュにとって「Hollywood がもっともハリウッドらしかった頃の映画」こそがコッシュ・デザインの肝であり、幹であったと思う。(実際コッシュはその最高傑作をハリウッド映画のサントラ盤で実現している。それは後述)
ならばなぜダイレクトに映像仕事へ向かわなかったのかは知るよしもないが、“固定したイメージ”への想い、グラフィックワークとしての作品に懸ける気持ちは強く伝わってくる。

なぜ枠囲みしたか。
正方形という制約上やむを得なかった、横長にはできないがコッシュの中では枠をつけたのではなくて、あえて一回り小さい版面を設定した、それは“スクリーン”を意識したのでは。
ジャケットデザインとは音楽が醸す映像からワンシーンを切り取ること、スクリーンショットを作ることを肝に銘じて制作に勤しんでいたのだと思うのだが…どうでしょう。ある意味“非日常の、夢の世界の一コマ”を作り出していた…。
本人は「音楽という名の映画制作現場のスチールカメラマン」という意識であった、とワタシは思っているのです。そのジャケは Still Life 。

そういう目でみればこのビッシュ盤などまさに古き良きハリウッド映画まま。かつてのモノクロ映画のスチルの一枚と言っても疑う者がないような仕上がり。
顔を背けるヒロイン…不倫か悲恋モノか…、なんらかのストーリーを思わずにはいられない設定。
主人公(ビッシュ)に当たる光量の多さがヒロインに当たらないことからして、ふたりの立ち位置は不自然。たぶん一発撮り写真ではないだろう。後でエアブラシ処理というのもありえるが、女(ヒロイン)側の暗く深いシャドウはやはりライティングによるものだろう。なのでビッシュとは別撮りで、合成処理をしたのだと思う。もしかしたらバックも別撮りの三枚合成かもしれない。
裏はカラーで主人公横顔。若干下向きが表写真との関連を匂わせる。


++++++


REO_hi.jpg
REO Speedwagon/Hi Infidelity ('80)

15週全米1位をキープした屈指のメガヒット盤。
(それにしてもコッシュのデザインした全米トップ10アルバムはいったい何枚あることか…。その数は、羨望を越えて唖然とさせられる)

これもコッシュ作品とウィキにあるが、ワタシは持ってませんので詳細はともかく…、まあストーリーを想像させる「スチルっぽい」一枚には違いない。
都会の夜に下着姿の女がルージュをひく…わりにはさほどエロチシズムを感じさせないのは男がまさにかけようとするレコードのプレイヤーと脇のライトスタンドがもろに 50's Style ゆえエロよりもノスタルジアな印象強し。コッシュ趣味。

蛇足:こう見ると、コッシュ、ルーパート・ホームズ(および Widescreen productions)のジャケをやってもハマったかもしれない。


posted by Denny_O at 08:20| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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