69年に結成したBryndle は、カーラ/ウェンディ・ウォルドマン/ケニー・エドワーズ/アンドリュー・ゴールドの四人組。
グループとしては結果を残せなかった(後に再結成)が、ロスの仲良し組として互いの関係は続いてゆく。ケニーが組んだストーン・ポニーズからリンダ・ロンシュタットという才能が開花したのでリンダの成功に皆がからんだ70年代。
この2枚目がコッシュによるジャケット。まさにコッシュ節と呼ぶにふさわしい仕上がりは、リンダ盤【風にさらわれた恋】【夢はひとつだけ】あたりと並列するコッシュ・ワークなので当然リンダ経由での仕事だろう。

【Restless Nights / ささやく夜】('79)
アラン・トゥーサン曲 "yes we can can" でシーンへ登場してきた四人姉妹は、マリア・マルダーが道を開いたノスタルジア路線とブラック・グルーヴをいい塩梅に混ぜて「これは本物!」と皆を唸らせた。
もともとシスコにほど近いオークランドの出身、エルヴィン・ビショップのバック・コーラスをやっていた時に、Moby Grape のプロデューサー/デヴィッド・ルービンソンに認められてデビュー、フリスコ色が濃くいい感じに freewheelin' なグループだったが、ビッグヒットが欲しかったのかロスへと移って豪腕リチャード・ペリーのもとへ。
ヒット・メイカーとして業界の顔だったペリーが興した Planet レーベルの第一弾として、確かにヒットは連発するが狙いが見え見えのディスコヒットばかり、つまらなくなった…。

Energy '78
舞台裏だろう、リンダの【夢はひとつだけ】同様のロケーションであり書体に飾り罫線/囲み枠といい、これはコッシュらしいジャケだが…。

Priority '79

So Excited '82

Break out '83

Sharp Cuts '80
当時このジャケットを手にしてコッシュの名前があってずいぶんと驚いたもの。
バンド名の切り貼り、タイトルはコピー機にかけて荒くするなどコッシュらしからぬパンキーな仕上げで…。
音楽業界全体の動向に、コッシュもパンクの波とともに変化せざるを得なかったという感じがする。