2011年12月05日

Kosh_Nostalgic Linda


映画フリークであろうコッシュはなぜ本編へ行かずにグラフィックワークを選んだのかと前に書いた。が、なんとなく分かる気が今はしている。
60年代末…アメリカ映画はニューシネマが始まりだした/ロー・バジェットなロードムービー…英国人コッシュとはいえその眼はアメリカを向いていただろうから、もう自分の望むような豪華絢爛な映画の時代ではないと早々に悟った…のでは。
物はあふれ、大型車は湯水のようにガスを食らい、それでも石油が枯れるなどとは微塵も感じていなかっただろうアメリカ社会の、その象徴ともいえるハリウッドミュージカル映画の数々…まさに夢の世界に魅せられていた青年コッシュにとって飛び込むべき映画界は存在していなかったんじゃないのかな。

しかし想い絶ちがたし。グラフィックな世界へ進んだとて、そのモチーフはやはり「映画」であった…というのがワタシのコッシュ感。
コッシュはつくづく運がいいと思う。アメリカへ導いてくれたピーター・アッシャー、そのアッシャーが振ってくれたリンダ・ロンシュタット仕事、そのリンダは大きくブレイク。のみならずリンダが路線変更した先というのが何より望んでいたノスタルジックワールド… Hollywood Golden Age の音楽というのだから。

コッシュはグラミー賞「ベスト・アルバムデザイン」を二度獲っている。ともにリンダ盤。最初は83年(受賞年)の【get closer】だがこちらは不本意だったんじゃないかな。86年の【lush life】、これでこそ本望であったろう。

ネルソン・リドル…まあかなり古い人ゆえ正直当時は知る名前じゃなかった、なんでもシナトラやディーン・マーチン等ハリウッドな人らのバックをしていた、オーケストラ界では大御所/巨匠なんでござんしょ? 知る人は、おおあのリドルがリンダとコラボしたのかと驚いたのだろう。
ピーター・アッシャーのプロデュースで、ネルソン・リドル・オーケストラと組んでのスタンダード歌曲集三連作を発表。

【what's new】(83)

linda_whats.jpg

linda_wats_label.jpg
レーベルもサテン地を…

【lush life】(84)

linda_lushlife.jpg


【for sentimental reasons】(86)

linda_reasons.jpg



見よ、このジャケを。嬉しさに涙チョチョ切れながら仕事したのが見えるよう^^、コッシュ会心の作。

とはいいながら、コッシュ・デザインとしては認めても/リンダは贔屓シンガーであっても、このスタンダード連作はワタシの趣味ではなかった。ので、今手元にあるのは変形ジャケというだけで買った二作目のみ。
一、三作は手にしたことがないのでジャケ仕様が分かっていないのだ。変形…は無かったよなぁ?


※【lush life】、ハット・ケースとでも言うのだろうか、「帽子入れ」をまま模したジャケット。これだけゴージャスなケースに入れる帽子って…お高いでしょうなあ。まあ思うのはハリウッド女優御用達…。そのフタが取れる…開けるとなかにリンダ、というコンセプト。
ついでに過去に書いた「粗いブラシ」に関してビデオを入れておく。(注:ブラシとは、イラストを描く技法のひとつ、エアブラシのこと)





posted by Denny_O at 06:34| Comment(2) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おゝコッシュ! さすがコッシュ! これぞコッシュの真骨頂!

遂に出ました帽子箱からリンダ。ネルソン・リドル翁がリンダの伴奏を務めるという温故知新ぶりが意表をついて新鮮だったなあ。

そうなんですよね、ピーター・アシャーこそコッシュを憧れのアメリカへと導いた張本人なのでした。

Posted by 沼辺信一@千葉 at 2011年12月05日 10:47

はい、コッシュベストワークですね。お次はアレです。

【what's new】のジャケには初代(?)ウォークマンをあえて入れたコッシュ、ノスタルジアのなかに最先モードという「ひねり」を、ちょっとだけ…。
三作目ジャケのマイクも…こういう場合はたいてい往時のそれを引っ張り出すでしょうがあえて SURE で通したコッシュ…というのは穿った見方でしょうかね。
Posted by denny_O at 2011年12月05日 13:21
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