http://www.whink.net/denny/pete/
ほぼ大団円が見えてきたマッスル/ピート・カー頁、ここにきて数枚入手しているので、この際ここで続きをプレビューしておいて、改訂後に入れ直すこととしよう。まずは意外な一枚。
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"Connie Francis/Where the hits are"
[ '89 Malaco/US ]
produced by Jimmy Johnson & Roger Hawkins
<C:★>
コニー・フランシスがマッスル?マジすか?…AMGに出ていて、ワタシもそう思いましたよ。ところが入手してみればほんとにマッスル録音。マラコからのCDです。
60年代も中期というより初期でしょ、この人って。ティンパンアレイの最初期アーティスト? 「ボーイハント」「カラーに口づけ」「バケイション」とくれば詳しいことは大滝詠一か朝妻一郎に聞いてくれよって感じの女性シンガー。
で、このCDタイトルが「ボーイハント(Where the boys are)」のモジリであるのは、皆さん分かってるね(?)
その通りに過去ヒットのリレコ(re-recording)/セルフカヴァーという次第です、それをマッスルで録り。
89年のマッスル、つまりはゴールデンカルテット=四人衆はスタジオをマラコに売り払った後というわけでして…。この頃にはほとんどピートの参加はないはずが、ここには参加。ジミー・ジョンソンはプロデュース名義のみで、ギターはピート/Duncan Cameron の二人。キーボードこそクレイトン・アイヴィだがフッド/ホーキンス=黄金のリズムコンビが参加している上にサックスにジム・ホーン/コーラスにレニー・ルブランとなかなかのメンツが集合、となればそれなりの音を期待したいところながら…。
いやまあ、ダメだこりゃ。CDだし1曲が2分ちょいなので24曲収録、8割がたが昔ヒットのよう(よく知らないですが)。長くて最後まで聴くのが正直辛い…。
なにがダメといって、これが本当に89年の録音?というほど昔のまんま。なんら新しいアレンジなしにオリジナルままに歌ってます。バックもどこがマッスル?、60年代のNYの音を完全コピー。
なんでこんな盤を作ったのかとしばし考えてみました。で思ったのは、これはオリジナルマスターテープが汚れてきたので録り直したというではと。アメリカのおじさんおばさんが「そういえばコニー・フランシスってよく聴いたわよねぇ」とハンバーガー食いながら思い出した→モールの中のCDショップへとりあえず行く、そこに置いておくための再録音ではということ。そんな輩はリレコもオリジナルもわけ分からないからね、きっと。それくらいオリジナルの完コピでもある。
ではもうひとつの疑問、なぜマッスル詣で?
2曲のみマッスル楽曲が収録。そのひとつは、(see #075) メアリー・マクレガァの全米1位曲 "Torn between two lovers"。これをコニーは好きだった、で調べたら録音がマッスルであったからとりあえず自分も行きたくなった…のでは? それぐらいしか思い浮かばない…。
(もう1曲はボブ・シーガーへの書き下ろしだったな、"Old Time Rock 'N' Roll"。George Jackson のペンによるロケンロール讃歌。オリジナルのシーガー・ヴァージョンに続いてここでもソロはピートが)
いやもうフッドもホーキンスも信じられなく軽いお仕事してるよねえ。もしかしたらコニーのサインをかみさんに頼まれたから参加したとか、そんな気もするローバジェットワークなのです。ピートのギター…ほのかに感じさせる箇所がなくもないが、とてもどうこうと語る気にさせる盤にあらず。