2006年12月16日

Pete/Muscle #130-Percy

percy.jpg

#130
Percy Sledge/Percy!
( '83 Monument/US)
<…:★★★★>


 What'd I say... 、レイ・チャールズ曲なのだが、邦題「何といったら…」。このパーシー盤、じつに what'd I say な、どこか悲しげ/哀愁誘うレコと言える。

 ジャケが変。赤と青のスポットを背に、正面からも弱いライトを浴びるパーシーがフリルだらけのシャツにスーツを着る。安ホテルのディナーショーのようであるが、まあそれはいいとしよう。が、ど真ん中に目立つのは「歯」。暗いバックの上にアフロアメリカンなので白い歯が異様に目立つ。もっと目がゆくのはその歯のど真ん中が一本抜けているところ。
 色物/ノベルティ/冗談音楽…そんな言葉が頭に浮かぶ。歯抜けなのに満面の笑みなのよ。
 なんでこんなジャケでオーケーだったのか…。モニュメントという、マイナーではないがちょいとローカルなレーベルだからか。

 時代とは残酷であるなあと実感。83年のマッスル録音。全米1位に輝いたソウル史に残る傑作「男が女を愛する時」、あのパーシーのレコだってのに。その後だって「I'll be your everything」(#007) という傑作盤をものにしたパーシー…。

 これで内容もしょーもなければ“さもありなん”で終わるのだが…イイのだ、内容が。なので余計に物悲しいのです。A−5なんて極上の Southern Ballad なんだよなあ。
 録音はもちろんこの人の拠点たる Broadway Sound Studio、かつての Quinvy Studio ですわ。しかし83年ともなるとクィン・アイヴィのクの字もないね。プロデュースは David Johnson という人。
 四人衆からは David Hood のみ。Roger Clark, Clayton Ivey, James Hooker, Lenny Leblanc らがバックとなれば、これまたマッスルBチーム仕事。ピートの参加はなし、ギターは John Wills, Ken Bell のふたり。
 Muscle Shoals Horn Section の四人衆は全員きっちり参加してます。
 
 全編よく出来てますよ、ほんと。同じ内容で(ジャケもしっかりして)75、6年に出ていれば少しは注目されたろうになぁ。 CDになることもないだろう、このある意味レアな盤も、神保町トニーの300円箱でほこりを被っておりましたわ。


 なんだか思うに、パーシー自身がこのレコを見た事無いんじゃなかろうか。
「う〜ん、たしかに80年代に入った頃に、マネージャから電話で新しい契約を結べたとは言われたんだよなぁ。でもってブロードウェイでセッションらしきこと、やったのも覚えているが…。でもあれってレコードになったのかねぇ?」

posted by Denny_O at 05:22| Comment(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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