


【melissa manchester/"Singin'..."】('77 Arista)
77年のコッシュといえば メインワークであるリンダ盤は【simple dreams】を
手がけ ロッドの大ヒットアルバム【foot loose & fancy free】
グレッグ オールマン バンドやシーレヴェルなどサザンロックも…
前年暮れには【hotel california】が出たところ ようは最もノっていた時期
同年仕事の一枚にこのメリッサ盤ジャケもあり 翌年のステファン ビショップ
【bish】とも関連するモチーフ_というより
何度も書いてきたこと コッシュとは「映画」なり
ハリウッド映画へのオマージュこそがコッシュワークの肝だが
この盤はその最たる物でありましょう
邦題が【雨と唄えば】だったそう…センスあるような無いような
原題は "Singin' " であり そしてこのジャケットだもんな_名画『雨に唄えば』
に倣ってこの邦題
もちろんコッシュもそのつもりだったわけだが.
ジーン ケリーの雨中ダンスシーンで知られる名画の原題は Singin' in the rain
さて こうなると映画を意識した最初は誰だろう
この盤はカヴァーが大半だが そこに楽曲 "singin' in the rain" はない
ではタイトルは誰が付けたのだろう_メリッサ? プロデューサーのVini Ponsia ?
いやいや「このジャケットを作りたかったコッシュ」…が
タイトルから考えたんだろうとワタシは想像する
もしかしたら メリッサ側からオファーの前から コッシュは「このジャケ」を
作りたいと考えていたのかもしれない 愛して止まないジーン ケリーへの
オマージュとして温めていたデザインだった…とかね
誰が見ても『雨に唄えば』を思い出させるジャケットだが
ちょっと雨量が多すぎない?(笑
オモテも裏も かの名作を彷彿させる_まさに映画のスチル写真
映画のなかでは必須な「シーン」であったから当然「雨を降らせた」が
こちらはなんの必然性(映画と絡める必然はコッシュだけにあったが)も
無いのに 写真撮りだけのために場所を探し 人手で豪雨を降らせ…
相当に金がかかったと思えるジャケットデザイン
正直 その対費用効果があったとはとても思えないのだ
単なる「コッシュのわがまま」を通しただけじゃなかろうか
逆にいえば これだけのわがままを押し通せる「実力者」に この時点での
コッシュはなっていたと言える…まあ間違いなくNo. 1 ジャケットデザイナー
であったが.
ともかく 非常に…ヒジョ〜〜に… Kosh らしいジャケットといえる
蛇足:ワタシのひいきの Wendy Waldman の古い曲 (from Gypsy Symphony)
を採り上げているのが嬉しいところ _そのウェンディの 翌78年盤
【strange company】がこれまた kosh design
このアルバムの原題 "Singin'..." の「...」部分は明らかに "in the rain" を含んでいますよね。と同時に、シンガー=ソングライターとしてキャリアを重ねたメリッサが、初のカヴァー・アルバムに取り組む、つまり「歌手」として挑戦する、の意味合いもあるようです。同アルバム唯一の自作曲は、いみじくも "No One's Ever Seen This Side of Me" ──これこそ彼女の心境の現れか。以上、William Ruhlmann 氏のレヴューからの受け売りでした。
コッシュは恐らくこの "Singin'" の一語だけから、すべての視覚的イメージを発想したのでしょう。
こちらこそすっかりご無沙汰してまして…お元気ですか?
このメリッサ盤は アリスタレーベルということで
制作には親分=クライヴ デイヴィスの存在や
カサブランカで当てたニール ボガートなどもいた時代ということで
何かと映画と音楽のからみ…などを感じたりもします
Koshも映画サントラ『FM』をやっていますし やりたいことが
やれたからこそ売れたのかもしれません
また何か気がついたらコメントください