2008年05月15日

tHomas doLby

 米国ならばトッド・ラングレンがその代表格だろう、テクノロジーに長けた、ミュージシャンでありプロデューサーでもある人物。
 80年代英国でもホーンを始めとして同様な才人が多く頭角を現したが、やはりこの名を挙げずにいられない、トーマス・ドルビー。前述のようにブルース・ウーリーのバックあたりで業界デビューですが(AMGのプロフィールによれば、「カメラクラブ」とはブルース・ウーリー/トレヴァー・ホーン/ジェフ・ダウンズ/トーマス・ドルビー(と、もう一人)であったとか。となれば、ホーン/ダウンズ組はこのバンドのメインのレパートリーをそのまま持って遁走し、ぬけがけで発表したら大ヒットが真相だったりして?)……その名が知られたのは "She blinded me with science" の大ヒット、82年。これと次の "Hyperactive" あたりはエキセントリックなPVを覚えておりましょう。そうそう、映像が音とシンクロし始めた時代の寵児かもしれない。どちらにも並々ならぬこだわりを持った人(若かった、58年生まれ)。
 なにしろその名が光るよなあ…トーマス・ドルビー。トーマス・エジソンのような偏執狂的探究心と、音への拘り= "Dolby" 、これには負けた/やられた。
 80年代英国音楽へ思い入れる諸兄にとっては、かの名作『Prefab Sprout / Steve McQueen』のプロデューサーとして知られるところ。

 ばりばりの英国一派とみえながら、実は結構アメリカ音楽との接点もあり。下に入れたダン・ヒックスのカヴァー、彼の曲を演るなんざぁかなりのこだわり。ジョニ・ミッチェル『Dog eat dog』へも参加、数曲をプロデュースかな。ミュージックビデオ・エイジとなったのも追い風で念願のアメリカ進出を果たせたのかも(やはり英国勢にとってはいつの時代でも British Invasion してこそ一流でしょ。大阪芸人が虎視眈々と“東京進出”を狙うのと一緒)。

 ここで挙げたいのがドルビー 92年盤『Astronauts & Heretics』。この頃は下降線であったけれど、内容は充実、いい盤でした。ここでのゲストが Eddie Van Halen, Jerry Garcia, Bob Weir、…ちょっと驚くでしょ。
 そこからのカット曲 "Close but no sugar" 。これがミディアムでじつにメロディアスなナンバー。ドラムは生だけどシンセがひっぱるところはドルビーらしいところ。が、ここにヴァン・ヘイレンが全編でギターを弾く。トリッキーなフレーズもあるけれど全体的にハマっておるンじゃわ、見事に。エディーって "Panama" "Jump" ではシンセとギターを交互に弾いていた。キーボード弾ける人、なので音の構成力に長けているよね。ギターはどう弾けばハマるかを熟知しているところが凡百の Guitar Wizard (馬鹿?) とは違うところ。


dolby_cigar.jpg


 ここに入れるのはCDシングルだが特別パッケージ版。
1. Close but no cigar
2. Beauty of a dream (Piano & Vocal)
3. Close but no cigar (Version)
4. Neon sisters

 3曲ともアルバム収録曲、ではあるが(2)(3)は別ヴァージョン。カラオケならば、ヴォーカルを除いて演奏のみ。これは逆、ヴォーカルを活かすためにリズムトラックを除いている alternate mix version 。
 この(3)、ただ“ヴァージョン”としたミックスが素晴らしい。基本は本人のピアノとエディのエレキのみのバック、そこに(オリジナルテイクでは聞こえないので別に重ねた様子)ドルビーの声が幾重にも重なる。つまり“アカペラ・ヴァージョン”なのです。別曲とまでは言わないがオリジナルとはまったく印象が異なる極上の仕上がり。今ではボートラ収録されているかもしれないが、当時はこのシングルのみのヴァージョンであった。

 前述のゴドリ&クレムの「暗い」もそう、この頃からやたら別テイク/ヴァージョンが増えた。最初は真新しさで追いかけたがそのうちに手に負えないほど増えたから、結局イヤになってきたわいね、皆が。ストーンズあたりもやたらめったら出したでしょ。これは罪作りだったな。たしかに意味ある(Close but... のような極上のシングル・ヴァージョン)特別仕様もあるにはあったが単に売り上げ増を狙ったいい加減なのも多くて…。それとアルバム未収録曲も断然増えましたっけ。今に至る「手を変え品を変え」てとことん買わそうとする所行がこの頃から…。
posted by Denny オクヤマ at 08:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 80s British | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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