2014年03月22日

Kosh_Dolly Parton


'89年のドリー パートン盤が意外やジョン コッシュの仕事であった
この時期にはグラフィックワークからほぼ fade out してビデオの
ほうにシフトしていたコッシュと思われる 意外な人のデザイン仕事は
どういう経緯か想像しにくい
全盛時の 一目でコッシュ…という「らしさ」はないが
モチーフであった古き良きハリウッド≠ヘ充分感じさせるデザイン
(ドリーはカントリー畑のSSWだがヴィジュアル的には この
ゴージャス感覚が似合う_華がある人)

Limousine を Limozeen としているのはよく分からないが
「真っ白いリムジンから降りたスター 自身の映画のプレミアム
上映シアターへ駆けつける」…レッドカーペットといい 
ハリウッド感満載の構図で一発撮影のジャケット


1402dollyCD.jpg
(A)

1402dollyLP.jpg
(B)


さてここで問題アリ
コッシュがアルバムグラフィックからリタイアしていったのは
そのサイズ_30cm四方で存分にその力を発揮してきた彼としては
CDサイズは耐えられなかったからだろう
そこでこのジャケットだが…
時代はCD優位になりつつあった頃の作品 なので画像検索しても
ほぼ(A)の「CDジャケット」が出てくる
しかし小ロットではあっただろうが(B)のアナログ発売も
されたようだ

アナログ時代 コッシュの特徴として「天地左右ワク囲み」が
あったがここでは LPのほうは 左右のみを囲っている
問題はここ
左右にバーを入れたことで当然 CDとLPとでは写真の
トリミングが変化している_CDでは バーで隠れていた部分まで
出てしまった
車の後ろの観衆だが CDは 端に人物が足りていないので
一気に寂しくなってしまったではないか!
当然コッシュとしてはLPのトリミング≠想定してデザイン
したジャケット…であったことは想像に難くない
ところが市場に出回るCDでは コッシュの意図など
無視した_たぶん連絡もなしに勝手な変更をしたものと見る

「これじゃダメだっつぅ〜の…」
コッシュの嘆息が聞こえてきそうな トホホな顛末



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2014年02月08日

メリッサ三枚


1402melissa_dontcry.jpg


ネチれば メリッサに関しては続く二作もコッシュなんだね
(コッシュは いちアーティストにつきだいたい3枚のアルバムを
 手がける傾向があった…)
【don't cry out loud】('78)
【melissa manchester】('79)

同名盤のほうは正直どーと言うことのないデザイン(才人コッシュと
いえどもパーフェクトではなく スルーしているデザイン盤が
ほかにもあるのですヨ)

78年盤も さほど惹かれるジャケじゃないなァ
額のシワがちょっとかわいそう…この写真を使わなくてよかったのでは.
二重写しだし…
文字処理の丁寧さ ここはコッシュらしくキレイでいい
見る人によっては "cry out loud" というタイトルと取られそうだが.

スミケイの囲みはコッシュパターン踏襲ということ

この盤はジャケはともかく 内容的には一番日本で受けたメリッサ盤じゃ
なかろうかな
リオン ウェアのプロデュースによるAOR名盤とか…
「あなたしか見えない」は このメリッサとリタ クーリッジ 
さて貴兄はどちらで聴きますル? ん?伊東ゆかり??
あたしゃ…「マッチョなジョー」だったエルキーで
http://youtu.be/aSc7Nh756JA





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2014年02月06日

design by KOSH

二年以上開けてしまったが「 KOSH ワーク」まだまだ行くヨ…


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【melissa manchester/"Singin'..."】('77 Arista)

77年のコッシュといえば メインワークであるリンダ盤は【simple dreams】を
手がけ ロッドの大ヒットアルバム【foot loose & fancy free】  
グレッグ オールマン バンドやシーレヴェルなどサザンロックも… 
前年暮れには【hotel california】が出たところ ようは最もノっていた時期
同年仕事の一枚にこのメリッサ盤ジャケもあり 翌年のステファン ビショップ
【bish】とも関連するモチーフ_というより 
何度も書いてきたこと コッシュとは「映画」なり

ハリウッド映画へのオマージュこそがコッシュワークの肝だが
この盤はその最たる物でありましょう
邦題が【雨と唄えば】だったそう…センスあるような無いような
原題は "Singin' " であり そしてこのジャケットだもんな_名画『雨に唄えば』
に倣ってこの邦題
もちろんコッシュもそのつもりだったわけだが.
ジーン ケリーの雨中ダンスシーンで知られる名画の原題は Singin' in the rain
さて こうなると映画を意識した最初は誰だろう
この盤はカヴァーが大半だが そこに楽曲 "singin' in the rain" はない
ではタイトルは誰が付けたのだろう_メリッサ? プロデューサーのVini Ponsia ?  
いやいや「このジャケットを作りたかったコッシュ」…が
タイトルから考えたんだろうとワタシは想像する
もしかしたら メリッサ側からオファーの前から コッシュは「このジャケ」を
作りたいと考えていたのかもしれない 愛して止まないジーン ケリーへの
オマージュとして温めていたデザインだった…とかね

誰が見ても『雨に唄えば』を思い出させるジャケットだが
ちょっと雨量が多すぎない?(笑
オモテも裏も かの名作を彷彿させる_まさに映画のスチル写真

映画のなかでは必須な「シーン」であったから当然「雨を降らせた」が
こちらはなんの必然性(映画と絡める必然はコッシュだけにあったが)も
無いのに 写真撮りだけのために場所を探し 人手で豪雨を降らせ…
相当に金がかかったと思えるジャケットデザイン
正直 その対費用効果があったとはとても思えないのだ
単なる「コッシュのわがまま」を通しただけじゃなかろうか
逆にいえば これだけのわがままを押し通せる「実力者」に この時点での
コッシュはなっていたと言える…まあ間違いなくNo. 1 ジャケットデザイナー
であったが.

ともかく 非常に…ヒジョ〜〜に… Kosh らしいジャケットといえる


蛇足:ワタシのひいきの Wendy Waldman の古い曲 (from Gypsy Symphony)
を採り上げているのが嬉しいところ _そのウェンディの 翌78年盤
【strange company】がこれまた kosh design






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2011年12月06日

Kosh_Hollywood dreamin'


さてリンダのノスタルジア連作を紹介したところでやっとこの「隠し球」を紹介できるというもの。これぞジョン・コッシュの最高傑作
72年というからリンダ連作から遡ること10年、渡米前で Who / Family などのジャケをやっていた頃のこと。この時にすでに最高傑作をモノにしていたコッシュなのであった…。

UK United Artists Records が企画したのがズバリ、
【The Golden Age of Hollywood Musical】

1930年代のハリウッドミュージカル全盛時、そのサントラ楽曲集というのだからコッシュがやらずにどうする。
というか、この時点で「この企画盤ならジャケはコッシュだワ」とUA側が気づいていたのか? それともどこからか聞きつけたコッシュが「おいおい! そりゃオレだろう〜!」と売り込んだのか…。

まあ経緯は何であれ、コッシュがもっともやりたいジャケが舞い込んだ。のみならず、ここでも運があるのか…いや、実力ですわね…ビートルズ、ストーンズ、フーのジャケを既にやっていたコッシュだよ、何の文句があろうことか…思う存分なジャケを作ることができた。(コッシュ的には、B4/ストーンズ/フー…意にそぐわぬ二流バンド℃d事をステップに…研鑽を積んでここまで来た??)

それにしてもこれだけの複雑な「抜き型」に金がかかっただろうに、売れたのか? ペイしたのだろうかと老婆心ながら心配になるようなジャケット・デザイン。
なにしろワタシはこのLP…中古エサ箱で発見した時は涙し、その価格¥300に再び涙したのだ。セコハンレコ屋の兄さん、「あ〜たこの駄盤をお買い上げになる!? これはまあ見上げたモンだ、いよっ、篤志家!」と顔に書いてあった。彼は仕入れてからジャケを開いてみてもないだろう…。
池袋にて出会えた、ああ傑作レコード。


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30cm四方のレコード寸法が片6面、両で12面分が全体寸法。右の表裏4面分はポップアップ仕様のために別紙。8面紙とそれを糊貼りしている。
カラーなどという愚はせず、映画の時代に合わせてモノ・トーン/表ジャケ部分のみスミ+特1色で。
二枚の貼り合わせだが形状は一枚紙、それを折り込むだけのシンプルジャケが、これだけの立体感…いや「感」ではなくて実際に「立体」…それも半端じゃない立体なのだから。凄い。
表だけを見れば(デザイン処理はともかく)何ということはないアルバム。それがまず開いてみると飛び出す!=c往時の名作ミュージカルの有名シーンが3Dとして眼前に表れる仕様に驚き、さらに広げれば数々のスチルとともに詳細を記したインナーがこれでもかと出てくるわけで…。
これだけ完成度の高いレコードジャケットをワタシは知らない。
デザインにしろギミックにしろ半端がまったくないのだから。ギミックは…たいていがいたずら心からだが、ここでは必然…すべてが真摯なるオマージュ、コッシュの「愛情」がなせる技。真の傑作とはこういうジャケットなのでアリマス。

PS:このレコードを初めてみたのは(写真だが)、レコードジャケット・デザイン界の巨星コンセプト・チーム『ヒプノシス』、彼らが編纂した名著【album cover album】の第一集で。しかしそこでは5cm四方の表ジャケのみ、コッシュ作とはあったがさほど注意を引く扱いではないし、実際ワタシもほとんど気にしなかった。
が、中は凄いことになっていた…それを教えてもらえたのが、前に紹介した沼辺信一さんによる【12インチのギャラリー】。お世話サマデス。





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UA Records は三年おいて再度企画した。
【Hooray for Hollywood】
第二集ということで、もちろんコッシュ・デザイン。
今回は(前回が懲りすぎた?)…変形無しのシングルジャケ。
ただしブックレットが16ページのボリューム。スチル満載。
スミ+特銀色刷りジャケット。クオリティは前作に引けを取らない。





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2011年12月05日

Kosh_Nostalgic Linda


映画フリークであろうコッシュはなぜ本編へ行かずにグラフィックワークを選んだのかと前に書いた。が、なんとなく分かる気が今はしている。
60年代末…アメリカ映画はニューシネマが始まりだした/ロー・バジェットなロードムービー…英国人コッシュとはいえその眼はアメリカを向いていただろうから、もう自分の望むような豪華絢爛な映画の時代ではないと早々に悟った…のでは。
物はあふれ、大型車は湯水のようにガスを食らい、それでも石油が枯れるなどとは微塵も感じていなかっただろうアメリカ社会の、その象徴ともいえるハリウッドミュージカル映画の数々…まさに夢の世界に魅せられていた青年コッシュにとって飛び込むべき映画界は存在していなかったんじゃないのかな。

しかし想い絶ちがたし。グラフィックな世界へ進んだとて、そのモチーフはやはり「映画」であった…というのがワタシのコッシュ感。
コッシュはつくづく運がいいと思う。アメリカへ導いてくれたピーター・アッシャー、そのアッシャーが振ってくれたリンダ・ロンシュタット仕事、そのリンダは大きくブレイク。のみならずリンダが路線変更した先というのが何より望んでいたノスタルジックワールド… Hollywood Golden Age の音楽というのだから。

コッシュはグラミー賞「ベスト・アルバムデザイン」を二度獲っている。ともにリンダ盤。最初は83年(受賞年)の【get closer】だがこちらは不本意だったんじゃないかな。86年の【lush life】、これでこそ本望であったろう。

ネルソン・リドル…まあかなり古い人ゆえ正直当時は知る名前じゃなかった、なんでもシナトラやディーン・マーチン等ハリウッドな人らのバックをしていた、オーケストラ界では大御所/巨匠なんでござんしょ? 知る人は、おおあのリドルがリンダとコラボしたのかと驚いたのだろう。
ピーター・アッシャーのプロデュースで、ネルソン・リドル・オーケストラと組んでのスタンダード歌曲集三連作を発表。

【what's new】(83)

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レーベルもサテン地を…

【lush life】(84)

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【for sentimental reasons】(86)

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見よ、このジャケを。嬉しさに涙チョチョ切れながら仕事したのが見えるよう^^、コッシュ会心の作。

とはいいながら、コッシュ・デザインとしては認めても/リンダは贔屓シンガーであっても、このスタンダード連作はワタシの趣味ではなかった。ので、今手元にあるのは変形ジャケというだけで買った二作目のみ。
一、三作は手にしたことがないのでジャケ仕様が分かっていないのだ。変形…は無かったよなぁ?


※【lush life】、ハット・ケースとでも言うのだろうか、「帽子入れ」をまま模したジャケット。これだけゴージャスなケースに入れる帽子って…お高いでしょうなあ。まあ思うのはハリウッド女優御用達…。そのフタが取れる…開けるとなかにリンダ、というコンセプト。
ついでに過去に書いた「粗いブラシ」に関してビデオを入れておく。(注:ブラシとは、イラストを描く技法のひとつ、エアブラシのこと)





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2011年10月18日

kosh '79


下の、ボニー・レイット曲、収録は79年盤【The Glow】

AMG (と意識的に書いているが現在は AllMusic=AM) のバイオによればバーバンク生まれ/ブロードウェイスター=ジョン・レイットの娘とあるが…舞台スターってちょいと日本では馴染みがないよね。
ボストンの音楽シーンから出てきて、いわゆるウッドストック組という印象のレイット。なにより長けたスライドプレイで一躍知られた。そのアルバムも、オリジナルもあるがJBやエリック・カズの名曲の素晴らしいカバーで…。
とはいえ日本では米国ロック通受けしたのみ。本国も大差なかった…が、89年の【Nick of Time】で、苦節20年? やっとメジャーなシーンでも認知される存在へ。

77年の【sweet forgivenness】発表時に来日コンサートだったな、行きましたヨ。レイットといえばフリーボ。盟友ベーシスト見たさに…九段会館だったか、足を運んだ。
ジョン・ホールやエディソン・エレクトリック・バンド組とのNY録音から、生まれ故郷か、ロスへ移動。
で、この79年盤は produced by Peter Asher 。その前盤はポール・ロスチャイルドであり、後盤はバンプバンドをバックにしたロブ・フラボニのプロデュース盤のようだ。
ということは、アッシャー制作はこの1枚のみだね。
そこで登場…デザインはジョン・コッシュなのです。

マリア・マルダー/リンダ・ロンシュタット/カーラ・ボノフ/ウェンディ・ウォルドマン、それにレイット…ロスの仲好し組(この中でコッシュ・ジャケがないのはマリアのみ)。
中でブレイク筆頭はもちろんリンダということで、レイットのスタッフとしてもどうにかそれにあやかりたし…ならばブレイクの黒幕(?)たるアッシャーに制作依頼、というウラは透けて見える。
しかし世の中それほど単純ではなかったようで…1枚でフラボニへ乗り換えたところからしてもレイットとアッシャーの相性はよくなかったんじゃないかな、なにしろワタシもこの盤はすでに放出^^。

それはともかく、アッシャー登場ならばデザインはコッシュ。
コッシュの「身元引受人」ぐらいの存在じゃなかったかねぇ、アッシャーが。わたしゃそう思っている。
英国アップル社(コンピュータじゃないよ、ビートルズの会社だ)で知り合ったピーター・アッシャーとジョン・コッシュ。
コッシュの「大西洋横断」も、アッシャーが…
“なあコッシュ、おれと一緒にロスへ移ろうゼ。仕事は心配すんなって…、必ずオレが振ってやるから”
と誘ったからだと思う…これ正解じゃない?

++++++

フレームもなく、さほどコッシュらしさは見られない仕上がり。
文字処理の丁寧さ、特に「the glow」のアヴェニール書体/文字間あけに“らしさ”があるがこれはデザイナーの眼ゆえ。
オモテも裏も文字は斜めにふっている。
しかしこの盤、裏フォトをオモテに使ったほうがよかったとワタシには思えますがねぇ…。



bonnieRaitt_glow.jpg


bonnie_glowBack.jpg


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2011年06月23日

Kosh / Planet


最近のネタがらみで、コッシュ・デザインがあったので入れておこう。

まずカーラ・ボノフ
69年に結成したBryndle は、カーラ/ウェンディ・ウォルドマン/ケニー・エドワーズ/アンドリュー・ゴールドの四人組。
グループとしては結果を残せなかった(後に再結成)が、ロスの仲良し組として互いの関係は続いてゆく。ケニーが組んだストーン・ポニーズからリンダ・ロンシュタットという才能が開花したのでリンダの成功に皆がからんだ70年代。

カーラもリンダへの楽曲提供から自身のデビューへと。
この2枚目がコッシュによるジャケット。まさにコッシュ節と呼ぶにふさわしい仕上がりは、リンダ盤【風にさらわれた恋】【夢はひとつだけ】あたりと並列するコッシュ・ワークなので当然リンダ経由での仕事だろう。


KarlBonoff.jpg

Restless Nights / ささやく夜】('79)

列車のコンパートメントだろうか。ひとり傷心のまま夜行列車で旅立つところ。蒸汽をあげ、いままさに出発する…5〜60年代の映画によくあったような設定/ストーリーテリング? これも、Stephen ビッシュ盤と同様な、映画男コッシュの面目躍如。



それと、「つまらなくなったポインターシスターズ」と書いたポインターズ盤。
アラン・トゥーサン曲 "yes we can can" でシーンへ登場してきた四人姉妹は、マリア・マルダーが道を開いたノスタルジア路線とブラック・グルーヴをいい塩梅に混ぜて「これは本物!」と皆を唸らせた。
もともとシスコにほど近いオークランドの出身、エルヴィン・ビショップのバック・コーラスをやっていた時に、Moby Grape のプロデューサー/デヴィッド・ルービンソンに認められてデビュー、フリスコ色が濃くいい感じに freewheelin' なグループだったが、ビッグヒットが欲しかったのかロスへと移って豪腕リチャード・ペリーのもとへ。
ヒット・メイカーとして業界の顔だったペリーが興した Planet レーベルの第一弾として、確かにヒットは連発するが狙いが見え見えのディスコヒットばかり、つまらなくなった…。

そのプラネットのアートディレクションを仕切ったのが KOSH だった。レーベルは短命でさほどリリースはないが大半はコッシュ。



pointers_energy.jpg
Energy '78

舞台裏だろう、リンダの【夢はひとつだけ】同様のロケーションであり書体に飾り罫線/囲み枠といい、これはコッシュらしいジャケだが…。

pointers_priority.jpg
Priority '79

pointers_excited.jpg
So Excited '82

写真はごぞんじノーマン・シーフ。はて、シーフとコッシュは…初顔合わせ? ここらあたりからはかつてのコッシュ節≠ヘすっかり影をひそめた、凡庸なジャケに。


pointers_break.jpg
Break out '83




sharpCuts_kosh.jpg

Sharp Cuts '80

サブタイトルに "new music from American bands" とあるように時代を見据えた…というより流行りに乗り遅れまいとしたリチャード・ペリーのあがきだろうか、パンク/ニューウェイヴ/パワーポップの無名バンドのサンプラー盤をプラネットが出した。収録うちでは、ワタシもひいきの dB's が唯一知られるバンドかも。
当時このジャケットを手にしてコッシュの名前があってずいぶんと驚いたもの。
バンド名の切り貼り、タイトルはコピー機にかけて荒くするなどコッシュらしからぬパンキーな仕上げで…。


リンダの80年盤【mad love】がやはりパンク/パワーポップを意識したレコだったがそのジャケ、コッシュによるが、やはりそれ風の出来。
音楽業界全体の動向に、コッシュもパンクの波とともに変化せざるを得なかったという感じがする。

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2011年05月21日

Final Eagle


コッシュ項目がしばらく開いてしまったのは、エラそうな物言いができるのかてな気にもなって…偉大なる才人にたいして自分はなんと小さく、しょ〜もない仕事しかやってないことよ、比ぶべくもないのは承知のはずだが一応は同業なので…。プチ自己嫌悪。
それはグリフィンとて同じ事。

しかし雑誌に書いたりしたら恥ずかしくてならないがこんなブログならば…ま、いいか(と開き直る)。

The Eagles 【The Long Run】
gatefold inside... はメンバー五人の写真一発だけだった。それも暗いトーンの。

だいたいこのアルバムの重苦しさは何なのだろう。「ホテカル」でピークに登りつめて後、すっかり自分らの立ち位置を見失った、そんな体。
それをヴィジュアル化しているという意味でやはりコッシュは凄い。
黒基調、モノトーンは「幕引き」をイメージさせる。

B4盤、録音は「アビイロード」より前とはいえ結局ファイナルになった【let it be】。コッシュはこれぞ栄光のB4ラスト盤≠ニしてデザインしたはず。で、やっぱり黒枠囲い。エピタフ…。コッシュは「おくりびと」であった。

イーグルス、【on the border】も買ったけどその盤とは同じバンドとは思えない、こちらは静寂、静謐…こりゃU2「ヨシュアツリー」のよう。
SDのファイナル盤【ガウチョ】にも近いね。

お分かりですね、SDはそれにて終わった、同様にイーグルスもここで終わった…。
どちらもその後に「同名バンド」を名乗る輩がいるらしいが、そりゃきっとヨシュアツリー公園で夜な夜な踊っているゴーストですゼ、間違いない。

eagles_runB.jpg
eagles_runA.jpg

「ロングラン」。もっともコッシュらしいのは、美しいのは…ラベル両面。書体、文字配置の美。
グレーとブラックでAB面。AでなくてBがブラックということ、まさにここで Final を示す。The End

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2010年11月29日

Kosh_B4


letIt_LP.jpg

ファンならばいろいろと語りたくなるもの、ひいき筋を。話しが膨らむのは思い入れゆえか。good old ポールの死亡説、のように何やかやと…。

この盤も、そのジャケをやれ終焉を意味して黒枠だのメンバーの顔の向きは…などと語る輩も少なくないのでは。

わたしゃそれほどの「意味」はないと思っておりますヨ。
このコッシュ・デザイン、彼としてはたんなる「サントラ盤」としての仕上げと思う。黒枠は…デザイン仕事でラフ案をクライアントに見せるとき(プレゼン)はブラックボードに貼るもんで、それは色をより鮮明に見せるための仕様、この場合も写真をハッキリさせたかっただけじゃないのかな。
写真にしても、この頃はすっかりやる気なしのB4だったろうから、ジャケのためのフォトセッションもなし、しかたなしにライヴ風景を撮るしかなかったのだろう。なのでブレやらピントの甘さが相当あって、コッシュとしては「まあ使えるったらこの程度だよなあ…」とやむなく選んだ4枚を並べた…(違うか?)。

気になるのは、わざわざ黒バックにしながら白のオモテケイで囲ったこと。これは無しでしょ、ケイがないほうがよっぽどシャープだったろうに。たしかにこの黒に白で陰気な感じはしているか。

そのケイが、より太いのが難点ではあるけれど、この東芝盤シングルは、家にはレディマドンナもヘイジュードもあったが、身銭で最初に買ったB4のレコゆえに愛着あり。英盤もこのスリーヴなんだろうか、セピア色調…こっちのほうが「気分」だった。トリミングも違う。
これもコッシュ・ワーク?

LetItBe.jpg


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2010年11月28日

kosh_linda cont.

linda_USA_front.jpg
Living in the USA ('78)

この盤あたりはもう「国民歌手」宣言のようだったな。しかし、セールスとしては申し分なしだが時代とのズレが若干生じてきた感もあった。ジャケもいまひとつ…流行だったローラースケートってのもちょい無理あったでしょ。

これは、「Simple Dreams」と続きのような見開きの内ジャケがいい。これを表でよかったのに…。

linda_Simple_jn.jpg

linda_USA_in.jpg

Click_(up: Simple Dreams / bottom: Living in the usa)


この後もリンダ盤はほとんどコッシュの手によるが、この盤、ベストゆえ注目されないがデザイン的にすばらしい。角保護を模しての書籍表紙というコンセプトなのだろう。古〜い上製本か。そのための表面のエンボス処理がコッシュらしいこだわり。皮革らしい手触り…これはアナログを持ってもらわないどどうもならんでしょう。

linda_best_front.jpg

linda_best_surface.jpg





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2010年11月27日

カリフォーニャホテル

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「Simple Dreams」の前年だがコッシュはこのメガヒット盤も手がけた。それと前に入れたロッド盤(77年)を再度ここへ。なぜならこの3枚、イーグルス/リンダ/ロッド盤は非常に近く感じる、ワタシには。ほぼ同時期に同じモチーフで仕上げた…同じ「匂い」のする三つ子盤。



Beverly Hills Hotel に象徴される、まさにハリウッドの「匂い」が漂う。
コッシュにとって、やりたかったことが許される位置までたどり着いたというべきか…ピークはこの頃でしょう。

この盤で、オリジナルUS盤はオマケに三つ折りポスターが。それは当時すでにロックフォトのトップに立っていたノーマン・シーフ撮影によるものだが、それでもジャケはシーフのフォトではなく、自分のディレクションで押し通せるだけの実力を示せたコッシュ…!

スパニッシュ・コロニアル調ビヴァリヒルズ・ホテルをホテル・カリフォルニアという架空ホテルへと置き換えての撮影。世界中でどれだけの人の目に触れ、手にされたジャケットだろう。
右下、バックミラーへの映り込みのような体裁にしたタイトルだけでバンド名なし。実際の映り込みならミラー反転のはず、あくまでモチーフ。Hotel California はネオンサインの実物をわざわざ作ったようにも見せているけど、どうでしょう…ワタシはこれは「イラスト」だと思う。
裏ジャケのシャープな写真にたいして(もちろん夕暮れで光量調節の難しさもあるが…)表はリンダ盤同様な粗めな写真、ここも共通項になっている。その色調はロッド盤と非常に近い。ロッド盤には後のアルバムジャケでそのまんまがあるが、このコッシュデザインでもロッドの頭髪を椰子の木とシンクロさせていると思うんだね。

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eagles_Cal_inside.jpg

表ジャケ/裏ジャケ/内見開き、それに内袋。それらがトータルでコッシュ・デザイン。
このレコは特に内袋が秀逸。
前を見直してもらいたいのはコッシュによるアンディ・フェアウェザーのソロ盤。そこに書いたように、粗めのエアブラシというモチーフがここで活きている。

eagles_Cal_sleeve.jpg

eagles_Cal_sleeve_cut.jpg

※ each click for detail
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2010年11月26日

Kosh とリンダ

リンダ・ロンシュタットのジャケット群がコッシュのピークであったと前に記した。それはリンダ本人がシンガーでありながらビシュアルにも相当の意識を持っていた…みごとに女優を演じたからだ。ゆえにコッシュにとってリンダは最高の「素材/モチーフ」たり得た、仕事をしていて楽しくてしょうがなかっただろうな。
コッシュ/リンダ/(ピーター)アッシャーのgolden triangle 。

linda_prisnerPoster.jpg

コッシュによるリンダ盤は75年盤「Prisoner in Disguise」から。
これは手始めということで置いておきましょ^^。裏は大きなアップなのに表のリンダが小さくて、レコ会社としては販促に苦労した様子。後のCD等ではかなりトリミングされているのかな。これは販促ポスターだが、あたらに手を加えたデザイナーの気持ちがわからないでもない。

linda_hasten_up.jpg
Hasten down the wind ('76) ※click

このジャケがいい。
これ、カウボーイ映画を映しているスクリーンの前にリンダが佇んでいるようには見えないだろうか。実際は、内見開きと裏の写真から浜辺でのロケだと分かるが、ワタシにはそう見える。
前述のとおり、黒いフレームによって(トリミングによって)「スクリーン」を強く意識させるから。映画を感じるのだ。つくづくコッシュらしいと思う。

linda_Simple_up.jpg
Simple Dreams ('77) ※click

個人的にはコッシュの、これがリンダ・ワークとしてはベスト(変形ジャケは別にして)。増感処理か赤外線フィルムか、荒い画像ゆえに一般的には注視されにくい作品だがメイクルームでの一コマ、これぞまさにリンダが女優になりきり撮影。見事なまでの鏡のアールデコ仕様が際立つ。Beverly Hills Hotel ("Hotel California") あたりでのロケだろうか…、そうとう由緒ある建築物の中だな。

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2010年11月19日

KOSHのBISH


bish_front.jpg

bish_back.jpg


このビッシュ盤、コッシュにとって傑作な部類の一枚…というよりもコッシュらしさが全面に出た一枚というべきか。

「コッシュとは…“ムーヴィー”である」と、思っています。
コッシュにとって「Hollywood がもっともハリウッドらしかった頃の映画」こそがコッシュ・デザインの肝であり、幹であったと思う。(実際コッシュはその最高傑作をハリウッド映画のサントラ盤で実現している。それは後述)
ならばなぜダイレクトに映像仕事へ向かわなかったのかは知るよしもないが、“固定したイメージ”への想い、グラフィックワークとしての作品に懸ける気持ちは強く伝わってくる。

なぜ枠囲みしたか。
正方形という制約上やむを得なかった、横長にはできないがコッシュの中では枠をつけたのではなくて、あえて一回り小さい版面を設定した、それは“スクリーン”を意識したのでは。
ジャケットデザインとは音楽が醸す映像からワンシーンを切り取ること、スクリーンショットを作ることを肝に銘じて制作に勤しんでいたのだと思うのだが…どうでしょう。ある意味“非日常の、夢の世界の一コマ”を作り出していた…。
本人は「音楽という名の映画制作現場のスチールカメラマン」という意識であった、とワタシは思っているのです。そのジャケは Still Life 。

そういう目でみればこのビッシュ盤などまさに古き良きハリウッド映画まま。かつてのモノクロ映画のスチルの一枚と言っても疑う者がないような仕上がり。
顔を背けるヒロイン…不倫か悲恋モノか…、なんらかのストーリーを思わずにはいられない設定。
主人公(ビッシュ)に当たる光量の多さがヒロインに当たらないことからして、ふたりの立ち位置は不自然。たぶん一発撮り写真ではないだろう。後でエアブラシ処理というのもありえるが、女(ヒロイン)側の暗く深いシャドウはやはりライティングによるものだろう。なのでビッシュとは別撮りで、合成処理をしたのだと思う。もしかしたらバックも別撮りの三枚合成かもしれない。
裏はカラーで主人公横顔。若干下向きが表写真との関連を匂わせる。


++++++


REO_hi.jpg
REO Speedwagon/Hi Infidelity ('80)

15週全米1位をキープした屈指のメガヒット盤。
(それにしてもコッシュのデザインした全米トップ10アルバムはいったい何枚あることか…。その数は、羨望を越えて唖然とさせられる)

これもコッシュ作品とウィキにあるが、ワタシは持ってませんので詳細はともかく…、まあストーリーを想像させる「スチルっぽい」一枚には違いない。
都会の夜に下着姿の女がルージュをひく…わりにはさほどエロチシズムを感じさせないのは男がまさにかけようとするレコードのプレイヤーと脇のライトスタンドがもろに 50's Style ゆえエロよりもノスタルジアな印象強し。コッシュ趣味。

蛇足:こう見ると、コッシュ、ルーパート・ホームズ(および Widescreen productions)のジャケをやってもハマったかもしれない。


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2010年11月18日

kosh/hipgnosis

そのアルバムのデザインにコッシュとヒプノシス、両雄の名が見えたアーティストにTレックスとエレクトリックライトオーケストラがいたと書いた。
が、このバンドもそうでした。先日来日公演を行ったとか…。

バッド・カンパニー、基本はヒプノシスだった。

74 Bad Company
75 Straight Shooter
76 Run with the Pack
77 Burnin' Sky
79 Desolation Angels
82 Rough Diamonds

zeppのレーベル、Swan Song からだったので親方ゼップがらみだろう、ヒプノシスが担当してデビュー。
このファーストこそがすべて、これ一枚で終わってよかったのになあ…は言い過ぎか。

badcom_1st.jpg

ヒプノシスにしては珍しい仕事、シンプルの極みな「文字モノ」ジャケ。
ただ文字バックはなにか柄なのだろうか? ツギハギのようにも、蛇皮のようにも見えるんだが…(ヒプノシスらしい「仕掛け」があるのかもしれない)。

ヒプノシスは1/2/5/6枚目、都合4作品のジャケットを担当した。
もっともヒプノシスらしいといえるのは79年盤。いまの目でみれば、photoshop 使って誰にでもできること。しかし合成のための元写真をきっちりロケハンして撮影、ポジをダイトラで紙焼きして削るところを削って重ね合わせて…発想の独創性とクオリティにおいて、アナログにここまでやっていた実力を見ても、やはりヒプノシス・ワークは頭抜けていたのだ。

BadCompany_Desolation.jpg

最後になった82年「Rough Diamonds」はスワンから離れてアトランティック移籍第一弾。
これもヒプノシスには珍しい仕上げ、レコード出し口がギザギザで表はダイア型のホールカット。内袋をそこから見せる…いわゆる変形ジャケ。
グラフィック一発勝負でそのインパクトこそヒプノシスの「妙」であったから変形という意識はほとんどなかったはず。



bad_company_run.jpg

コッシュはサード「Run with the Pack」のみデザイン。
Free から変わらないシンプル/リフ一発ロックだったバドカン、しかしフリーよりもアメリカナイズというべきかメジャーキーを多様してもくろみどおりに大当たり。この盤もプラチナだったな。
ジャケは…持ってないのでこれはネット拾いだけど、ring wear が目立つ。実際は鮮やかな銀紙ジャケで文字とセンターの狼イラストのみ。裏・内ジャケは分からないが、表はさして面白いジャケじゃない、コッシュらしさはかけらもなし。
親に群がる子狼のなかに「人の子」が…。「狼少年ケン」か?(このTVアニメは今でも思い出せる、大きく影響されたなあ)


+++++


それとハンブル・パイも。

ヒプノシスジャケは74年「thunderbox」。
これも珍しいとした変形ジャケ。“鍵穴”から覗くとヌードが…。「のぞき」というコンセプトはヒプノシスらしいところ。


「thunderbox」前の2作をコッシュがデザインしている。

humblePie_smokin.jpg

Smokin' ('72)
これは全米6位になった最大ヒット作。
能のない文字モノ、つまらない出来? いや、これはこれでコッシュらしさが…ほのかに匂う。

humblePie_eat.jpg

続く73年盤もコッシュによる。これは13位までアップ、このころが最盛期だった。
やはりタイプロゴがメインだが、「レインボーコンサート」のジャケを思わせる文字埋め処理デザイン。


PS:ん?これもスワンソングだっけ?
デイヴ・エドモンズ「ひとりぼっちのスタジオ」はトッドの「サムシン/エニシン」と並ぶワンマン録音の傑作だったが、これがヒプノシスによるジャケとは意外なり。
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2010年09月18日

Kosh_SD's FM


FM_top.jpg
front

FM_inside.jpg
inside_right

FM_back.jpg
back

「FM」、2枚組サントラLP。これもコッシュ・デザイン盤。
78年。まあコッシュにとって Peak かもしれない。コッシュがもっともコッシュらしかった時。
フリードローイング文様がバック、ポロックの筆づかいのような…。そこに「FM」文字の銀箔押しが光る。
とにかく文字…書体がコッシュの「お約束」物。この時代の。
外よりも内側、内見開き両面のほうがコッシュらしくて良い。行間/級数を含めた文字の扱いが、平面構成が細部まで行き届いている仕事…プロのなかのプロ、それがコッシュ。

ウィキの「コッシュ項目」にはジャケ仕事としての記載がかなりあるが、ん〜?マジそうだっけ?と思わせる盤も少なくない。ストーンズの八角盤「スルーザパスト」、これもコッシュですかい? Tレックスの「タンクス」も…そうだったかなあ…。
コッシュ連載をアーカイヴとはしているがけしてパーフェクトは望まず。そこらのネット表記をまんま写すまねはしないように、極力実際に手にした盤を書くつもり。

stevemiller_20th.jpg

それでもこの盤、「steve miller band/living in the 20th century」は昔持っていたがコッシュとなっていた気がする。「らしさ」はほとんだない仕事だったが…いや、メインモチーフの馬上の騎士はデコだね、アールデコの彫像から取ったと思えるから「らしい」か。

そのSMバンドのみならず、このサントラ{FM}収録アーティストのうち、イーグルス/ダン・フォーゲルバーグ/ジミー・バフェット/ランディ・マイズナー/トム・ペティ/リンダ/JTのジャケをコッシュも手がけているところからして、この盤のジャケの適任者がコッシュであったことは理解できますな。タイトルチューン(というか映画題名が…)がスティーリーダンによる、そしてダン・ファミリーの中核たるゲイリー・カッツの名前もある(mastered by Gary Katz) が、SDジャケにはコッシュが関わらなかったのはちょいと意外。唯一の接点はこのサントラ。
ところでこの盤はグラミー授賞レコード。それは "best engineered album" とあるが、ならばカッツが受けたということだろうか。クレジットにエンジニアの名前はない。
それにしても既存有名曲ばかりでなんら真新しさのない、唯一の書き下ろしがSDのチューン(そうではなくて、もともとSDが "FM" という曲を作っていた、それにインスパイアされて映画製作になったという説もあり)のみ、カッツは全曲を本当にリマスタリングしたのか?(なにもせずにグラミーが取れていたりして)

+++++

この映画を観たという人はおりましょうや? 凡作・駄作としか評価されていないようですが、まあ観ないことには何も言えませんナ。ところでジャケに意外な顔がある。出演者のひとりに「マーチン・マル」。俳優なのだから「意外」は変か…。コッシュはそのマル盤ジャケまで手がけているとウィキにはあるが、さて…。
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2010年08月24日

kosh_JT's FLAG '79

そんな、才能の塊だったJT…でも、クオリティをキープし続けるのは至難。この79年の Columbia 盤はかなりトホホなレコだった…。"day tripper" "up on the roof" のカバーすらまったく冴えない出来。

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1004jamesT_flag2.jpg



これもピーター・アッシャーのプロデュース盤ゆえ、お約束に KOSH Design 。
大胆といってこれほど大胆なレコはまれ。タイトル/アーティストなどの文字一切無しは珍しくないことだが色数わずか「2」。三角ふたつ。
これで“通る”のがコッシュの実力/ネームバリュー。全盛時ゆえにレコ会社営業サイドも一切の口出し無用であったのだろうなあ。ああ羨ましいワ。

「フラッグ」がタイトルだけどこれは手旗信号か何か? 意味があるよな無いよな。
内ジャケの写真が配色といい、トリミングといい、時代だな…細部にこだわったコッシュらしさをあえておさえて大胆仕上げ、パンキッシュな時代への対応だろう。それでもインナー裏の歌詞面、その書体は長いこと使い続ける、コッシュ得意のアヴェニール・ファミリー。文字組の美しさは過去のコッシュデザインまま。文字の処理までパンクに成りきれないのがコッシュともいえる。

個人的にはインナー袋の写真をオモテに使えばよかったのにと思えてならない。ストロボがきつくかかっていて、この写真はモシュ・ブラッカを思わせる仕上がり。これにすればよかったのに…と言いたいが、ジャケのデザイン・コンセプトはJT自身とのクレジットか、JTとコッシュとで作ってこのデザインならばまあ誰も文句はいえまへんワなぁ。
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2010年08月21日

kosh_Fairweather Low

クラプトンの、なんともフヌケたアコギバージョン{レイラ}(「アンプラグド」)でサイドギターを担当していたのはアンディ・フェアウェザ・ロー。ウェールズ州カーディフ出身は、デイヴ・エドマンズと先輩後輩関係。A面コーナーでのスポットライトが…デビューがいきなりピークだったのか、アンディ…。
その後の地道なソロは’通ウケ”はしたけれど…そんな Mr. Sweet Soulful Man 。
(ちなみに下にいれたジェリー・ラファティ【city to city】でもギターを弾いている。そうだ、WHO/Who are you? にもアンディの名前があったな。なかなか顔は広い?)


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"Andy Fairweather Low/Spider Jiving" (74 US/A&M)

この盤は74年、ソロの一発目。前作にあたるのが70年、フェアウェザー名義での唯一盤 [beginning from an end] だから4年ぶりのレコ。「ビギニング」のジャケは KEEF だったがファーストソロはわれらが KOSH デザイン。Kから始まる四文字デザイナーの続きですネ。

その前に内容ですが。プロデュースが Elliot Mazer …というだけでどういう立ち位置のレコか、当時のアンディの心境か知れるというもの。ま、世界で一番「ザ・バンド」が’偉かった”時代、英国勢はこぞって米国アーシーサウンドをもとめてフラフラしていたわけで。
アンディが頼ったのはナッシュビル・キャッツ。ニール・ヤング/エリアコード615のプロデューサーだったメイザーを起用。しかし米国一辺倒に成りきれないのがカーディフの血か、好サポートをみせているのがギタリスト、ヘンリー「真っ黒け」、リズム隊もクリッシー・スチュワート/ウィングズのデニー・シーウェル(ただしこの人は確か米国人)でのセッション。ケニー・バトリー/チャリー・マッコイ/バディ・スピッチャーらも当然参加だが録音はナッシュビル{クアドラフォニック}とフリスコ。マーク・ナフタリン/ジョン・カーンらフリスコ勢の参加に、南部からメンフィス・ホーンズ/マリー&ジンジャー・ホリデイのコーラス等々、ごちゃまぜ面子盤。女性SSWとしてアルバムを数枚残したダイアン・デヴィッドソンなんて名前も…。
いい面子でいい音を出してはいるけれど、曲がちょっと弱いかなあ…。

++++++

シングルジャケだがそこはコッシュ、両面型抜きのギミックジャケとした。
表、全面エアブラシの一枚イラストにネーム/タイトルを載せ。なぜ星かわからないが("spider jiving" て何?)、シェイドを活かしたキレイな仕上がり。写真が前後するが最後を見てもらおう、グリーンバックは双角を見てのとおりに“粗め”にブラシを吹いている。これは後述するが【hotel california】へと続くことになる。

表は大きく丸くカット、内袋の single label が見える仕様、これは後の12インチシングルを思わせるギミック。そして裏は、金貨/紙幣がマジックで出てきた…の図。
この裏ジャケのほうがコッシュらしい出来ばえ。このジャケのための撮影かそれとも過去の「あり物」流用かちょいと迷うが…まず昔ムービーのスチルだろうな。マジシャンの顔があまりにそれっぽいので。
コッシュのハリウッド趣味/映画趣味からして、コッシュ印の「枠囲み」でもあるし、こちらがメインであったと思うのだ。
これをジャケとして製作したけれどレコ会社からダメ出しくらって(アンディの音楽との関連が薄すぎるとワタシも思うが…)、仕方なく裏へ回したんじゃなかろうか。アンディの丸ワク写真がかなり唐突な印象…無理に入れさせられた?

やはりコッシュ・デザイン盤にELOがある、そちらへとっておけばよかったのに…この裏は。というか、同年のELO盤【エルドラド】のジャケと類似するねぇ、と思ったから調べたら、違った。この盤はコッシュではなかったワ、しかし実にコッシュlike なジャケ。
これは映画「オズの魔法使い」のスチルらしい。

Elo_Eldorado.jpg

蛇足: おっと、今思い出した。Tレックスが、ヒプノシスとコッシュが交差した唯一バンドかもと書いたけれどこのELOもそうでしたワ。デビューだったかな、電球アップのジャケ、凡作だがあれはヒプノシスであったはず。
posted by Denny_O at 08:14| Comment(1) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月24日

kosh - donovan

koshが手がけたドノバン盤は3枚、ライヴ盤をはさむとはいえ全て73年に出している。

【cosmic wheels】
【live in Japan: spring tour 1973】
【essence to essence】

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手始めの【コズミック】が素晴らしい。ヒプノシス的「合成」ワークでドノバンワールドを見事に具現化。アストロロジックで、宇宙・太陽・雲、そこに浮遊感をプラスしてひとつのBOWLに入れ、きっちり練っている。練ったままを皿に盛るのが Yokoo忠則ならば、充分吟味したうえで盛るのがコッシュ、シンプルなcoloring がいい。
カンガルーポケット gatefold で(ドノバン手書き?)「塗り絵」の内面とレコ袋。60cmサークルのヌードポートレイト/歌詞シート付き。


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【ジャパン】。コズミックに続いて「座るドノバン」。このギターが前述した、トニー・ゼマイティス初期の逸品。
黒のなかに浮かび上がる、ピンスポを浴びるドノバンの姿がライブ感/ホール感を醸し出す。裏の「忍者ドノバン」もいい。これを、あえて表に使っても面白かったかもしれない。
コッシュとしては、来日に同伴していたわけではないだろうからポジを渡されてのレイアウト仕事かな、しかし丁寧な仕上がりがコッシュワーク。


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続いて座る。今度は「お辞儀」の【エッセンス】。
お辞儀の四コマカット。シンプルの極みは東洋的静謐感か wabi-sabi world だろうか。コッシュの代表作に数えられる傑作。冴えた手腕、大いなるデザイン力を感じる一枚。大胆美。
アイデア自体はドノバンだろう。元来の東洋趣味が来日を機に炸裂したのか…日本探訪直後らしいジャケ。

++++
【コズミック】は、遠藤賢司[ケンちゃんの宇宙旅行]のネタだな。が、エンケン(この言い方にはいまでも違和感あるが…)に低次元な「パクリ」などない(_敬愛するモビーの、[its a beautiful day, today]から[今日はとってもいい日みたい]が生まれたがそれもまったく別次元の歌であった)。完全消化だから[ふりそそぐ星]のような大名曲も生まれるのだ。アルバムジャケは cosmic chaos なYokoo先生デザインであったけれど。

遠藤賢司が細野と初めて会ったときにドノバンのLPを抱えていたとは知られたエピソード。ちなみにキースがミックに出会ったときにミックはマディ(ベリーか)のLPを持ってたんでしょ? 若人よ、外に出るときはアナログ盤を小脇に抱えて…書を捨て町に出よ。
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2010年03月23日

kosh_waldman

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【Wendy Waldman/Strange Company】('78 Warner)


Linda Ronstadt のジャケ、何枚続けてコッシュがデザインしただろう…というほどに多い。そして力が入った、彼の代表作はやはりリンダ一連仕事。
しかしリンダの盟友 Wendy Waldman 仕事はこの一枚だけ。

上からジャケ表/裏/インナー/その右隅のアップ。
ジェスロ・タルの代表盤をはじめとしてトム・ウェイツやエリック・バードン&ウォーやら…昔から多い「News Paper」ジャケ。ここでは national GOSSIP なる芸能新聞てなところでしょうか。シングルジャケで、インナーシートの表裏を含めて「4ページ仕立て」、表ジャケから page 1〜4とノンブル≠入れている。

ロスやマッスル録音をしてきたウェンディ、一流のセッションメンをバックに起用していたがこの盤では4人の固定、Wendy Band との録音。音楽界に "Punk激震”でアメリカの業界も否応なく変化させられた感あり(SSW時代は終焉した)。まあアメリカではパンクというよりもパワーポップだが…、この盤もそんな一枚。

++++++


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【Linda Ronstadt/Mad Love】('80 Warner)

そんな時代変化にリンダも否応なく¢ホ応。これもコッシュのデザインではあるがある種パンクっぽさが…。「微に入り細に入り」がコッシュの真骨頂なのにかなり「ラフっぽく」仕上げている。
リンダにしろコッシュにしろどこか無理があったはず。リンダは早々にスタンダード/ノスタルジア路線へ変更する。もちろんそこではコッシュが我が意を得たり=A抜群のジャケを作っていくこととなった。

この盤ではリンダ(プロデュースのアッシャーだが)もウェンディ同様に過去のプレイヤーとは一線を画す若手をバックに起用。そのコアとなったのが Wendy Band から流れた Mark Goldenberg 。




ちょっと無理してパンキッシュに歌うリンダ…。コーラスがウェンディ・ウォルドマン。ドラムこそラス・カンケルだが他は Wendy Band のメンバーじゃないかな。
posted by Denny_O at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月12日

kosh/ジャケはUS制作?

Great KOSH の五指に入る傑作ジャケット【family/bandstand】'72 をやっと買えた。米 United Artists 盤ではあるけれど。
変形を見てもらうのはやはり映像のほうが…で、UTを利用してみた。いや、喋るのは思いの外難しいネ。
前にも書き入れている盤だが、満足度120%…実に素晴らしい、アナログレコードとして特筆に値する名ジャケットと実感。




右隅の「コーナーカット」が惜しい、アメリカ盤ゆえ…。
しかしこの盤をじっくり見ていて思ったことがある。何度も「英国バンドはUK本国盤をチェックすべし」と書いてきたが…変形に関しては違うかも知れない、と。

このファミリー盤は米国制作ジャケットが本国盤≠カゃないのかという事。英国盤も盤自体はUK制作でもジャケットはUS制作して輸入し代用していたのではないだろうか。
UKのジャケ制作現場にこのように手の混んだ変形ジャケットを制作するノウハウが、まったく無かったとは言わないが乏しかった…ので、変形はアメリカに制作を委ねていたんじゃないかと思えてきた。
この盤に小さく "UNIPAK U. S. Patent No. 3,426,960 " 表記がある。

ロッドの、これもオリジナルは素晴らしい変形ジャケット盤、【never a dull moment】と【every picture tells a story】には共通して以下の表記、
"packaging- Album Graphic Inc., Chicago, Patent No. 3,556,391"
それとこれも傑作変形のフェイセス【ooh la la】、パテント表記こそないが album design by Jim Ladwig, AGI とあり、インサートで特大歌詞シートが。

すべてUS盤での話だが、UK本国盤のこの箇所表記が英国会社へと変わっているとはちょっと思えない。
AGIはロスへ渡ったコッシュもかなり関係していたアメリカ最大の音楽関連デザイン会社。ロッド/フェイセスはじめUK勢もかなり早い時期から「ゴージャスな変形ジャケならやっぱりアメリカだよな」…となっていたんじゃないだろうか。
やはりコッシュデザインの【donovan/cosmic wheels】あたりも同様、USジャケ制作盤と感じる。
posted by Denny_O at 07:37| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月17日

これもコッシュ・ワーク


kosh_2LP.jpg
king crimson/red ('74)
eric clapton's rainbow concert ('73)

正直どちらも面白味のない、コッシュらしからぬジャケ…。
ただしこれらは拾い画像、もしや実際のレコならば裏なり内面なりに「らしい冴え」が見られるのかもしれない。
それでも、これだけの大物仕事のオファーがあるコッシュとは…。
posted by Denny_O at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月04日

ben sidran

前盤【マージービート・コンピ】やこの盤のほうがコッシュらしい、そのテイストが発揮されているのだが…。いや、コッシュというとすぐに「アビーロード」「レットイットビー」「フーズネクスト」など(…もちろん屈指のロック名盤だから当然なんだが…)のデザイナーと喧伝されることが、ちょっと違うンだよなぁと感じるワケです(前述どおりにそれらの盤はほとんどコッシュ色は出ていない)。
デザイン的にはアーティストのネームバリューはまったく関係ないということ。(Family を見よ!)


benSidran_doctor_A.jpg

benSidran_doctor_B.jpg
Ben Sidran/The Doctor Is In (77 Arista)

ベン・シドラン…すこぶるジャジーな印象のキーボーディスト。が、この人はスティーブ "space cowboy" ミラーの盟友、SMバンド (steve miller band でっせ!) のメンバーとしても活躍した。

このソロ、77年か。SMバンドで同じ釜の飯を食ったボズ・スキャッグズのブレイク作【silk degrees】が前76年なので、ボズ同様な路線=お洒落なAORでやはりブレイクを狙ったのか。というほど山っ気のある人ではなさそうだが…。

ちなみに↓ここで触れた、ミラーのすこぶるジャジーなソロ盤を手伝ってたシドラン、coolness がこの人の信条のよう。
「Sailor Records」

+++++

いろいろ言ってますがソロは聴いたことない。このジャケ写も拾い。コッシュのデザインだそうな。
ネットで "Doctor Is In" で画像検索したら…洋物エロ映像がわんさか出てくる(^○^)、「ドクターったら、今あたしのなか≠ネんです」ってか?
シドラン、実際に博士号を持っているらしい。

文字の跳ねが実に気分…凄く巧い、みごとなスクリプトはさすがコッシュ。実際に窓ガラスに「刷った」かな、それともカッティングシートだろうか。
THE DOCTOR IS IN 、タイトルはスミに白文字…ちょっと強すぎない? しかしこれがアメリカの医者の普通のパターンなのかも。「営業中」?「在宅」?それを知らせる為のメッセージボードを窓に掲示するのかな。
裏ジャケ。ブラインド越しに反転したスクリプトが見えている、部屋の中に居るドクター・シドラン。ちょいと考えるとこれは逆のほうがハマるんじゃないのか…タイトルは逆が…。実は仕事場に戻ってきているんだけれど、今はメランコリックで患者を看る気分じゃない… The Doctor is NOT in... 。

トニー・ウィリアムス、ブルー・ミッチェルらが参加し、ミンガス[グッバイ・ポークパイ・ハット]などもカバーしているという盤。やっぱり jazzy 'n' coool....
posted by Denny_O at 08:41| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月27日

kosh typeface


mersey-beat45.jpg


『album cover album』に載っていたこの盤もコッシュ・デザインだそうな。素っ気ないくらいにシンプル…だが、これは「single sleeve」を模しているから。
62〜64年のマージービート・シングルのコンピLP(74年、United Artists 盤)だろう。 Mersey Beat の文字、シャドウのスミが濃いために読みにくいがこれは撮影のせいだろう。実際はもうすこし浅い色と想像する。
タイプフェイスがやっぱり巧い。これ、次のシドラン盤、こちらはアメリカ移住後の作品だが、この盤のタイプフェイスにかぶる。
posted by Denny_O at 11:58| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月26日

コッシュとファミリーの蜜月


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family - bandstand (72)

ということで…
これがストーンズ盤のところで触れたファミリー盤、彼らの6枚目。コッシュ仕事のファミリー盤は以上3枚かな。
これはコッシュにとって英国時代を代表する名ジャケである…が、持っていないのだ(泣)。手にとって見せてもらったことはあるけれど。
今回は『12インチのギャラリー』から転載させてもらいましょ。

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【fearless】ほど凝った仕様ではないが、出来は格段にこちらが上。
オイルライターを模したウィラーズの「キャッチ・ザ・ファイア」、ウイスキーグラスを模したロッドのベスト盤等々、何かを模すのはギミックジャケの定番だが、ノスタルジア・コッシュはここで最初期テレビ、アールデコ調のテレビ筐体をジャケにしている。全体形とブラウン管をヌキ型にして gatefold に…。

ストーンズ【ゲット・ヤー・ヤズ】の裏面とのリンクも理解してもらえるだろう。

表面が雑誌からなので曲がってしまったがそれでも素晴らしい出来栄えは分かってもらえると思う。書体もいかにもメーカーロゴっぽい、微に入り細に入り丁寧な仕上げがコッシュの真骨頂。(やっぱりUKオリジナルが欲しいなあ…)
アナログレコードの素晴らしさをつくづく感じる。まさに「アルバム」然とした装幀で、手にする喜びから、音を聴く前から音楽が始まることを実感させる(はず…持ってないが(T_T)
posted by Denny_O at 07:57| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月24日

ファミリー盤2


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family - fearless (71 United Artists/US)

前盤【its only a movie】が実質ラストの7枚目、これは4枚目。
凝りに凝った変形ジャケ。英国時代で一番手間(&金)をかけたジャケはこれだろう。
(USのカット盤につき、左肩の丸カットはご容赦のほどを)

いまでこそジャケットを見せるビジュアル本はジャズ/ロック、数多くあるけれどその初っ端は英国ジャケットデザイン界の雄、かのヒプノシスがみずから編集した「album cover album」。ワタシは vol. 5 まで買った。内容としては vol. 1 がやはり濃く、ロック名盤を数多く掲載、のみならずデザイナー個別紹介項もありそこではリック・グリフィン/ロジャー・ディーン/ジョン・パッシュらとともにコッシュも特集されていた ( vol. 1 のみ日本語版もでた)。
その vol. 1 にこのファミリー盤も掲載されてたが扱いは小さくて、表のみだったのでコッシュの意図したところはまったく読者には伝わらなかったはず。
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++++++

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おわかりでしょうか、見開き分(30×60cm)の紙を3枚使って、それもすべて「型抜き」したうえで5ページつづりのジャケットにしている! なんと贅沢な仕様だろうか。

コンピュータグラフィックの世界、初期に流行ったのがモーフィング。複数の画像を使って、片方から他方へじわじわと変化してゆく、あれ。人の顔が猿に変化したりトラに変わったり、子供が大人に/男が女に…。
ある意味このジャケットのコンセプトは(アナログな)モーフィングだな。横軸・縦軸をたどるとメンバーから別メンバーの顔へと変化するという…。

ファミリーの音楽、もしくはこの "fearless" という盤とモーフィングがどのようにリンクしているのか、そこまではワタシには分からないけれど、次に紹介する凝ったギミック盤にしろ、コッシュはこのバンドと何かを共有していたのだろう。




+++++

手持ちの Album Cover Album vol.1の表裏、かなりヘタった

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posted by Denny_O at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月22日

NOT R'n'R... only a Movie


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family - it's only a movie (73 United Artists/US)

「肝」の(1)がぴたりとハマるコッシュ仕事。タイトルもずばり。
クレジットによればこのジャケ写は1919年の Fox film corp. とあるので往時のガンファイト映画(題名の表記なし)の「スチル」から持ってきている。「銀幕」のスチルということで銀刷り仕上げはしているが他の「ファミリー盤」に較べるとコッシュ的には並み仕事、あっさり片付けた感あり。

裏ジャケ、このフォト囲み形にライン(罫線)がアールデコ、ストーンズ盤とも通ずるところ。(録音のために Rolling Stones Mobile を使っている。ホールでの一発録りのようだが歓声なし。客入れなしでライヴレコーディング?)

渡り歩きベーシスト、ジョン・ウェットンのデビューバンドだが、ファミリーとは Roger Chapman = Charlie Whitney のふたりユニット。残りメンツは毎回の「トラ」でしょう。この盤には前述、トニー・アシュトン参加。ジム・クリーガンも。クリーガンの当時の奥さんがリンダ・ルイス。そしてクリーガンはロッド・スチュワート・バンドのバンマスへ。
コッシュがファミリー/アシュトン&ロード/リンダ・ルイス/ロッド盤のジャケを手がけた。このつながり…コッシュがミュージシャンのかなり近い位置にいた証しだろう。

インナー(歌詞)シート裏には Gun イラスト。ここも気を遣う。
ただし、これはUS盤。オリジナルUK盤の仕様が同じかどうか…。


さてここで問題が…。
何度か書いている、アーティストのレコはその「本国盤」で聴くべきと。
アーティスト以上にこだわってレコジャケを作るのは当然デザイナー…ときには紙の選択から印刷後処理(PP貼り/ニスびき等)まで。となればコッシュ盤ジャケはコッシュが依頼を受けた際のレコ会社の本国盤≠チェックすべき。
英国から米国へcrossing。米国時代はいいが英国仕事は英国盤が欲しい。が、やはりUK盤はなにしろタマ不足、入手は非常に難しい。出てもまず高いしねぇ〜。とてもじゃないが揃えるなどできない。

kosh手持ち盤もほとんどはUS盤です。
少しだけUK盤もあるので <US/UK> は表記します。カナ表記は日本盤。なにも無しはネットからの拾い画像ってことで。


++++

ファミリーは2枚しか手元にないが、どちらも素晴らしい内容。
英国を代表するバンドになり得たはずが、いったい何が足りなかったのか…。まずはやはりバンド名だよなぁ、、それとルックス?  (T_T)

"In My Own Time" "Spanish Tide" "It's Only A Movie"



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2009年12月20日

koshの「肝」


今後のコッシュ・ワーク紹介でたびたび話題にするのは以下、
コッシュ三原則、頭の片隅に置いておいてもらいましょう。

koshの「肝」(1)_30年代ノスタルジア

コッシュデザインの基本の「フレーム」。コッシュは囲む、枠を付ける…なぜか。
これは「映画」なんだね。ワタシの想像。
映画のスクリーンというものにコッシュはとことんこだわる。実在のようでもそれはどこにも無い世界、あくまでスクリーンの中だけ=「絵空事」/夢の中…それを見る者にはっきり認識させるべく作品を枠のなかへ入れ込む=Bそれがコッシュだと思ってます。

英国人コッシュだが、1930年代のアメリカンミュージカル映画への憧憬がコッシュの「肝」、デザインのベーシックとなっていると思われる。物も豊かならば大人が大人たりえて、かつ人生を謳歌できた時代…ビジュアルとしてその時代を象徴した映画への思い入れが半端じゃなさそうな、コッシュ。

映画は本編を撮るカメラマン、ムービーカメラマンが当然撮るわけだがそれと、宣伝材料/資料のために撮られるスチルのカメラマンが別にいる。スチールと普通は言うか… "Still" です。絵画でいえば静物画は Still Life 。「静止した」という意味で使われる。
コッシュはジャケットを「スチル」として作成していた。本編映画(=音楽、録音原盤)は別にあって、自分はその映画のスチルとして内容を一発で俯瞰できるジャケットを作る。音楽のスチールカメラマン…それが信条であったとワタシは思っている。

++++

book_recordjacket.jpg

「ジョン・コッシュ・ストーリー」の制作者も述べていた、コッシュ研究の第一人者(?)が『12インチのギャラリー/LP時代を装ったレコードジャケットたち』(92年「デザインの現場」別冊)の編者、沼辺信一氏。ワタシも出たときにこれは買った、そしてコッシュについてあらたに教えられた。この中で氏が…
「デザイナー、ジョン・コッシュの最高傑作をお目にかけよう。(中略)…映画へのオマージュに貫かれた空前絶後の<仕掛け>と呼ぶべき作品だろう」
と言ったアルバムがずばりハリウッド映画音楽のサントラ/アンソロジー盤である。これをやっとのことで見つけたのが去年の春。仕掛けも見せるために写真が多くなるのできっちり撮影したらアップしますので乞うご期待。コッシュはこの盤のためにジャケットデザイナーになったのだ!といいたくなるほどの出来なので…。(「コッシュ・ストーリー」映像でもちょっと出てるけどね)



コッシュの「肝」(2)_体裁/ギミック

書物にしろサイトにしろ、ジャケットを紹介するモノは数多い。ジャケを四角く切り取った画像として載せるしかないわけで、当たり前に表ジャケのみが大半。しかしデザイナーは表紙のみをデザインするのではなく、裏も(gatefold ならば表1,2,3,4と4面)インナーシート(レコ袋)、場合によってはライナーノーツ、盤面までが仕事。
コッシュの場合はその、表以外の箇所も重要。たとえば前述、ストーンズ【get yer ya's】(70) でいうとフレームこそあるが表はデヴィッド・ベイリーのジャケで、裏こそがコッシュ・ジャケと言える。この写真の囲みフレームがアールデコ的。この形、やはりコッシュジャケの傑作に【family/bandstand】があるがここで使った古いテレビ筐体からと思える。ファミリー盤は72年で後発だが、このテレビはモチーフとして早い時期から暖めていたんだろう、形のみをストーンズ盤で先に試したと…。

コッシュはジャケに使う紙自体にも凝ることもあるのでやはり手にしてもらわないと伝わらない場合も多い。伝わらないといえば「変形」もなかなかにむつかしい。
そうなのだ、コッシュを語るときに<仕掛け>=変形ジャケ (Gimmick Jacket) も重要なモチーフとなることを忘れてはならない。凝り性なのです、コッシュは。またそれが許される(金のかかるジャケだから)ほどの実力者であったという事実。(gatefold =見開き盤も多かった)


コッシュの「肝」(3)_リンダ盤

リンダ・ロンシュタット盤仕事、これがコッシュにとってピークでした。なのでコッシュを語る時は、リンダ前/リンダ時/リンダ後…と分けてもいいくらい。【Eagles/hotel california】は「リンダ時」の盤ということになる。

アップル時代から旧知の Peter Asher とのタッグだな、アッシャー/コッシュ/リンダ…このトライアングルが組めたからこそのリンダ大ブレイクだったと思う。
当然、アッシャー・プロデュースのJT盤ジャケ仕事も「リンダ時」。


↓ストーンズ【get yer ya's】(70) 裏ジャケット

stones_GetYer_back.jpg
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2009年12月17日

コッシュ/ブラッカ

seaLevel.jpg
sea level (77 capricorn)

カプリコーン盤でのコッシュ、そうでした、これも。

オールマンズからの分派=JJジョンソン/ラマー・ウィリアムズ/チャック・レベルにギタリストが加わっての四人でスタートしたバンド。面子的にはハマるはずだが…やはり手が出ない。加藤和彦のいないミカバンドはアリですか? つまりこのバンドはサディスティックスのようなもの。インストゥルメントに特化した別バンドと割り切れば…それでもどんな音? ほとんど興味なし。
レコハン歴ウン十年、このバンドの盤を見ないときはほとんどない…くらいに安レコのチャンピオン。下は100円からせいぜい800円どまり。


77年のデビュー盤。これは珍しいレコ。というのは、design: Kosh, photo: Moshe Brakha 。コッシュとブラッカ(正確な発音は分からない。便宜的にモシュ・ブラッカとする)のコラボとはこれ1枚だろう。
白枠はコッシュだが、この盤はほとんどブラッカのセンスで押し通した盤。ブラッカは強烈なんでね、どれでもデザイナーの仕事は少ない、すべてはブラッカの写真ジャケ盤=B

ブラッカ写真…、「日中シンクロ」。日のあるところ/光量充分な場所でもストロボをシンクロさせて明度・彩度を上げるのが特長。とにかく vivid color photo …ワタシ大好きです。なので次に書く。


seaLevel_cats.jpg

翌78年のセカンド。ご覧のごとく、これまた Kosh - Brakha 路線…と思いきやデザイナー/カメラマンともに別人。フレームはともかくとして写真はシンクロストロボ/ヴィヴィッドカラー、もろにブラッカ調なのに驚く。驚きは続く、これを撮ったのが(コッシュの相方)デヴィッド・アレキサンダーとは…。それでもコッシュ・デザインではない、どういうわけなんだ。大滝【each time】のジャケイラストがペンギン永井氏じゃなかったことの驚き、あれに近いな。
posted by Denny_O at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月16日

kosh/ Jim Price

jimPrce_top.jpg

jimPrce_back.jpg

jim pice - sundego's travelling orchestra (72)

72年、ジム・プライスの 2nd solo らしいこれ、なんとコッシュ・デザイン。

70年代にロックでのホーン仕事といえば…NYでのジャズ系ブレッカー兄弟/サンボーンを除くとこの三人、 Jim Horn - Jim Price - Bobby Keys 、三人で独占禁止法にひっかかるほどshareしていた。
マッドドッグズ、ストーンズなどスワンプ仕事を独占していたのがプライス。アメリカの人だと思うが、72年ならばコッシュはまだ英国在…どんな経緯の仕事なのか。ま、クレジットにはsuperviser だったかな、ジミー・ミラーの名前があったのでストーンズ仕事からの流れと見るのが順当かも。

カラーフォトの「一部を」モノクロ変換するという処理が非常に面白い。真新しいわけじゃないがここでは流石にコッシュ、巧い。上から下がるフリンジの幕(?)ひとつで奥行きを十分引き出し、eye catch 効果も充分。この幕にどこか英国らしさが漂うが「プール」というシチュエーションは実にアメリカン。バランス感覚に長けたところもコッシュの力量。
ほとんど見ないレアな一枚と思うが、コッシュの「いい仕事」。

写真はUK盤でCBSから。USは Dunhill/ABC盤(それがなぜ英国CBSから?)。
posted by Denny_O at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月14日

マイズナー盤

下のカプリ盤のなかの「タルトン、スチュ、サンドリン」、やはりコッシュデザイン盤でこれによく似た盤がある。黒枠囲み、コッシュの基本。

meisner.jpg


randy meisner - one more song (80 エピック)
design & art direction by Kosh

宵闇に浮かぶライブ小屋。中の演奏を横目に入口に主人公がたたずむ…まったくおなじシチュエーション。業界言葉で使い回し≠ニいいます。 (*^^)

それよりも気になるのは手前。アメ車のボンネットに髪の長い女が…。マイズナーは小屋の中ではなくてこの女を見ているのか。これまたストーリーがあるよな無いよな。
これを見て「あれ」思い出しませんか?

+++

イーグルスつながりとしてコッシュがこの盤も担当とも言えるが、ウェンディ・ウォルドマンから引き続いての仕事…の線が濃い盤。この盤でのギターはウェンディバンドのメンバーだった Craig Hull 、ウェンディ自身もコーラス参加のみならず曲作りも手伝っている。

全9曲うち、meisner - Eric kaz が2曲、meisner - kaz - wendy 4曲(jack tempchin 2曲)。ワタシのオキニなカズやウェンディが全面参加盤ということで期待したが…がちょ〜〜んとズッコケました、これ。(処分箱に入れたままでまだ手元にあるが…)
posted by Denny_O at 11:52| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

南部のコッシュ

talton_stewart.jpg

bonnieB_lady.jpg

greggAllmanBand.jpg

eddieHinton_US.jpg


talton, stewart, sandlin - happy to be alive (75)
bonnie bramlett - lady's choice (76)
gregg allman band - playin' up a storm (77)
eddie hinton - very extremely dangerous (78)

ヒントン盤とボニー盤、これってマッスル・リズム/ホーン・セクションがバックだが録りもマッスル? ならばチェックを入れる必要ありだったな。
それはともかく、以上4作すべて Capricorn Records原盤。そしてジョン・コッシュがジャケ担当。

なぜにコッシュであったか…これは AGI 仕事。カプリコーンはAGIの得意先のひとつだったのだろう。コッシュとしては、「アメリカ来てからずっとロスでさあ、南部なんか行ったことねぇンだよなぁ。なんでオレにふってくるかねぇ、音楽の趣味もないし。しかしまあ仕事じゃけん、頑張りマッスルか」…てなことであった気がする。

何年前だろう、カウボーイ・フリークなワタシとしては外せないと思い、買うには買った【タルトン、スチュワート、サンドリン】。ダメだこりゃと早々に処分してしまった(だたその時にジャケがコッシュであることはチェック済み)。ゆえにジャケが無く、今回ネットからの拾いなんですが、さすがに大きめ画像はないんだわ、これ。
これとヒントン盤を、コッシュは若干ストーリー性を持たせたデザインに。
電話ボックスが脇にあるライブ小屋?、ドラムのビル・スチュワートは明るい室内なのに何故かベースのサンドリン/ギターのタルトンは入口で中でも外でもないような微妙な立ち位置。男と女?意味ありげな人物。左手前は黒人が「やったぜ!」と喝采しているような仕草/表情…なんなんだ?このジャケ。
ヒントン盤はタイトルままに逃げまどう男が路地裏に身を隠す姿。追っ手の車の灯りに怯える…てなところだろうか。

ボニー盤/グレッグバンド盤はジャケの右フチ処理の共通項、かたや色オビ/かたやタイトルとケイ線。「フレームのコッシュ」だがここは四隅でなく一方のみでした。
ボニー盤、ごく普通に見えるが右の紫帯がすごく強い。これはなんだろう。上製本の「背」という意味? 本(アルバム)を模しているなら英語本は左綴じだから逆のはず、…違うか。
グレッグ盤の撮影は David Alexander 。コッシュがたびたび組んでいたカメラマン。気心の知れた相手、コッシュの美意識を的確に把握していた。
この盤での(ここではグリッドだが)細ケイ線もコッシュの重要なモチーフ(パーツ)のひとつ、頻繁に出てくる。その意味ではこの盤がカプリコーンジャケのなかでは最も「コッシュ調」といえる。



↑ southern 4 trax contained

※コッシュとカメラマン
イーサン・ラッセル、コッシュは【let it be】【who's next】で組んでいるカメラマン。この世界ではビッグネームなひとりと思う。68年に、ナイコン (Nikon)を抱えた若きアメリカ人はロンドンでたちまち頭角を表した…とある。B4、フー、ストーンズ、トラフィックなどのジャケ写を撮り出す。
これはワタシの想像の域なんだが、コッシュがアップルに入った/並行してストーンズ・ジャケなども手がけた…ここらをみるに、まずコッシュはラッセルと知己を得て、その伝手で大物ジャケ仕事のチャンスが回ってきた…のではなかったのか。
それでもコッシュにとってラッセルは若干年上、先輩格ではなかったか。前述のようにラッセルとのジャケではコッシュ色はまだ出ていない。で、コッシュの全盛時には、David Alexander 、それとラッセルのアシスタントであったらしい Jim Shea 、どちらかと組むことで数々の傑作をものにした。たぶんふたりが、コッシュにとっては臆することなくデザインの意図を伝えられた/ともにクリエイトできたカメラマン。
posted by Denny_O at 08:40| Comment(2) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月05日

アシュトン&ロード

ashton_lord.jpg

tony ashton & jon lord - first of the big bands ('74)

昨日北浦和ユニオンにてエサ箱のレコめくりをしていて…手が止まる。モノクロ、いいジャケだ。そしてこのtypeface。もしやと裏返すと…やはり、コッシュの仕事でした。

これはレコ屋ではパープル関係盤という処理なんだろうなあ、ジョン・ロードの「顔」からして。左のトニー・アシュトン。英国ロック通ならばアシュトン、ガードナー&ダイクなんて名前も出てくるだろう。やはりコッシュがジャケを手がけた Family/ It's only a movie は前年盤。このバンドには1作のみ? アシュトン参加盤。

このタイプフェイス、粗いブラシを吹いているところに注目。これ、コッシュの「技」のひとつ。そのうちに出しますが、イーグルス/ホテカルのインナー袋でも…。


この盤の音はなかったので
Ashton, Gardner & Dyke - Resurrection Shuffle 



posted by Denny_O at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

charlieとロバ

stones_getYer.jpg

Mr.Pitiful さんの指摘の通りにこのストーンズ盤もコッシュとなっている。B4、ストーンズ、ロッド、バドカン、ムーディブルース、ELO、ハンブルパイ、ドノバン、Tレックス…英国だけでもアーティスト名を挙げればコッシュがどれだけ売れっ子であったか知れる。が、やはりこのストーンズ・ライブも含め初期はまだまだと思える。

the rolling stones - get yer ya-ya's out! (70)

このジャケはデヴィッド・ベイリーの写真でしょ。大御所ベイリー相手にディレクションできる位置にはまだ到達してなかったのでは…とも思うが、駆け出しのデザイナーがかのストーンズの盤で名前が入るわけもないか…ここらへん、悩むところ。
「ジョン・コッシュ・ストーリー」的に言えば、白い一本道(たんなる布の帯?)が vanishing point から全面に伸び出してくるのが奥行きを意識させるコッシュらしい…とかなるのかな。
(チャーリーの弾け具合が面白くはあるね、これ。ロバのモッタリ感も楽しい。チャーリーが右手に持つのはAmpegのアクリルギターだろうか、あん時のキース≠ナすわなあ。)

コッシュのピークはロスへ移ってからだと思う。とはいえ英国時代もいいジャケは多い。ドノバン、ファミリー等はこれから並べていきます。

ご質問の、同ストーンズ盤/乞食の宴会…68年盤、これは違うんじゃないかな。持ってないのでよく分からないが、時期的にもフォント選択にしても。


(↓この盤、村八・チャー坊の一声が入っているらしいがワタシいまだに聴いたことが…「かっちょいい!」、これ?)



posted by Denny_O at 09:25| Comment(4) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月04日

修業時代

kosh_b4Who.jpg

beatles - abbey road ('69)
who - who's next ('71)

【アビイロード】がコッシュの出発点…であるとは、コッシュの名に注目し始めた頃にはつゆ知らず、ずいぶんと後になってから知らされた。なにしろクレジットになかったのだから…。
それにしても「コッシュストーリー」が語っているほどに名ジャケだろうか。たしかに構図的な面白さはある。しかしあまたのカバー<Jバーを生んだのはあくまでB4というアーティストパワーのなせる技。このジャケはたんにポールの heavy moon... 思いつきでしょう。

コッシュはたしかに apple のアートディレクターであった。正確には「でもあった」。当時からインディペンデントの立ち位置は崩していない。アップル時代の仕事にはコッシュのカラー≠ヘ(ほとんど)出ていない。let it be, mary hopkin, doris troy, wedding album.... 。

この盤にしても、写真撮影が済んだ後にそのポジを渡されて、「お〜い新人、このポジをトリミングして版下作っておけよ〜!今回はバンド名もタイトルも何もなしだからな〜」…それだけがコッシュ・ワークだったなんてことも。それでなければ名前の無い理由がつかない気がしないでもない。写真家の名前はちゃんとあるのだから。

同様にこのフー・ジャケも。四角いモチーフの壁とは「後付け」っぽい。これは、日本ほどには許されない立ち小便≠堂々とする悪ガキというフーらしいジョーク…キース・ムーンのアイデアだろう。構図的にいえばこれはコッシュというよりもヒプノシスのデザインだ。

いやコッシュは名前だけなんてことではなく、いかに才能があってもいきなりに思うままにはやらせてもらえなかっただろうということ。が、この後すぐに頭角を表すのは、流石にコッシュ。
posted by Denny_O at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月02日

Rod _Foot loose


ROD-footloose.jpg


ロッド盤は、前作【スマイラー】をはじめ英国時代のソロの3枚が英国ジャケ界の鬼才 KEEF による。
コッシュの仕事は、次作【night on the town】をおいて、その次のこれ…2枚だけ。78年盤【スーパースターはブロンドがお好き】、一気にディスコへ流れた<鴻bドのその後にコッシュがついて行けなかったとも見える。

rod stewart - Foot loose & fancy free ( '77)

さして面白味のないジャケと映るだろう。しかしこの逆光フォトは【ホテルカリフォルニア】と同様のニュアンス、「ロスのロッド」を強く感じさせる…。【大西洋】とこのジャケ、どちらも「ワク(縁取り)」というコッシュデザインの基本。
実はこの盤でのコッシュの真骨頂はジャケではなく、同梱12ページブックレットにある。Germain とだけ署名された、50年代ガーリーマガジン風イラストレイター作を8点配置して絶妙のレタリング/フォント使い…ここがコッシュ。
「ガーリーマガジン」「アールデコ」、コッシュの趣味はずばりノスタルジア≠ナあった。




1. youre in my heart (LP)
2. i dont wanna be right (tokyo live '81)
3. i was only joking (tokyo live '81)
posted by Denny_O at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月30日

一緒に横断

追記:
前回の「カラスを石持て追え」のジャケ。よくよく眺めればコッシュの基本モチーフたる「アールデコ」、とくに扉…、ではあるね。

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rod_atlantic.jpg


エアブラシイラストとコッシュといえばこの盤を挙げないわけにはいかない。
この75年盤、コッシュの名前に気付いた/意識し始めたのはこの頃。リンダ・ロンシュタット、イーグルス、これ…当時新譜として買うレコに毎回出てきたのがコッシュの名前。

rod stewart - atlantic crossing ('75)

内容の素晴らしさについてはもう語り尽くしているのでジャケについて。
見開かねば意味をなさない。裏ジャケにあたる左半分が英国:大型船舶はクィーンエリザベス号?、うっすらと透けて見えるは霧にけむる Big Ben 。その上に見えるのは故郷スコットランド国旗。
スコティッシュ・ロッドが「大西洋横断」して右半分の米国へと旅立つ姿を描いた傑作。Take a Giant Step... 大きくデフォルメした右足で踏み入れるのが亜米利加のシンボル=摩天楼ビル群。いざ鎌倉…ならぬ「いざ亜米利加」。それでも酒瓶とサッカーボール(ロッドはサッカーなんて言葉を知らないだろう。フットボール。するとこれはフットボールボール?)は放さず。

アナログサイズで31×62cm。原画はまあ倍まではないにしても50×100cm程度の大作じゃなかったかな。ひとつひとつ細かくマスキングしてブラシ吹いて…それでも全体のバランスを崩さず(吹いたらそれまでなのでデジタルのように修正は効かなかった)描き上げる技はまさに職人、匠の世界。ブラシ名人のひとり、ピーター・ロイド (Peter Lloyd) 作。

クレジットでは cover prepared by AGI, Hollywood : design & art direction by John Kosh
75年はピーター・アッシャーを追って(たぶん)、ロスへと…つまりコッシュもロッドとともにAtlantic Crossing≠オたわけで。その意味でも本人にも思い出深いジャケだろう。ロスへ渡ってきてそうそうにコッシュは AGI (Album Graphic, Inc. ) のクリエイティヴディレクターに迎入れられた。全米をネットする最大の音楽デザイン会社。

このジャケに関してはコッシュの suggestion がそうとうに活かされているだろう。ストーン・ザ・クロウズと違ってブラシ画は名人に任せたことで、コッシュ+ロイドで傑作が誕生した。コッシュの代表作のひとつ。

蛇足:ピーター・ロイドのイラスト盤。ジェファーソン・スターシップ/ドラゴンフライ、カンザス、チェンバー・ブラザーズ etc 。
posted by Denny_O at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月28日

Stone The Crows

stoneTheCrows.jpg


さてコッシュなんだが…。
ずいぶん前に、コッシュに関してはハンバには書きたいくないと記した。が、となるとブログではなくサイトとして時系列なりにしっかりやらなければならないがそれはあまりに大変。今でもレコハン途中であらたなコッシュ盤にお目にかかったりするのでとても追い切れない。

そこでこのブログでは単に気付いた/手持ちの、コッシュジャケをだらたらと並べるだけにしようと思う。有名無名も時系列もいっさい無視して。

http://whink.seesaa.net/article/120926981.html

↑<世界一の売れっ子ジャケットデザイナー>であったジョン・コッシュの詳細についてはここからのリンクページにある「ジョン・コッシュのすべて」ムービーを再度チェックしてもらいたい。
(ここでは出演外人を「六本木の雇われさん」としたが、さて再度見直すにどうだろう。最後のクレジットにコッシュの名が出てくる。やはりあれはコッシュか…まだ分からない…)

+++++

北千住レコ屋で見たこの盤もコッシュ・デザインであった。UK盤で悪くないとは思ったがコッシュの名前のためだけにレコを集め出すのは正直ヘヴィ。それはやらない…。
↑の「ジョン・コッシュのすべて」ではリンダ・ルイスのLPには珍しくコッシュがジャケにその名を入れているとあるが、この盤のジャケにも koshの文字があった。

Stone The Crows-Ontinuous Performance (1972)
ギタリストが雨中の野外ライヴで感電死するという悲劇のUKバンド。マネージメントはピーター・グラント(ゼップを売り出したことで知られる辣腕ジャーマネ)。リードヴォーカルのマギー・ベルはソロとなって Atlantic から Swan Song へ。

しかし正直これは駄作ジャケ。さして上手くないエアブラシでシアターのファサードを描いた(コッシュではない。コッシュはイラストレーターにあらず)だけの代物。なぜここにわざわざ "kosh" と入れたのか疑問…。いや、イラストジャケに作者でない者が名入れするのはありえないか。ならばこれは「コッシュのイラスト」ジャケかも。この頃はエアブラシ吹いていたかもしれない。そっちの才能には早々に見切りをつけたのかも…。


Stone The Crows - 'Good Time Girl' - 1972 45rpm




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2009年06月06日

John Kosh Story

『Abbey Road』 『Who's Next』 『Hotel California』

名にし負うロックアルバム。英国2枚、米国西海岸1枚。ロック100選になら揃って入る盤ではあるがこの三名盤の共通項≠知る向きはそう多くないかも。…ずばり「コッシュ」。
この三枚が同一人物によってジャケットデザインされたというのだからどれだけ大物か知れようというところ…ジョン・コッシュ。

…という書き出しで、デザイナー「コッシュ」について連載していくつもりも、なかなか気持ちが空回りして進みませぬ。しかし、そうこうしているうちにこれ≠ェ削除されてしまっては元も子もない…なので紹介しておきます。日本人でもここまで DIG する人がいたことに驚いた、必至の名編集ビデオ。

http://sayonarako.exblog.jp/7735631/

左オビのなかの「ジョン・コッシュのすべて」を。
(すばらしい!…が、ひとつだけ言わせてもらえばレコを持つ外人さんをあたかもコッシュのように見せている演出はどうかと思う。イーグルス盤で自分のやった仕事≠ニ言ってるが…。まさかロスまで飛んで本人の顔出し無しですか? 青リンゴを手にする演出、六本木の外人さんに見えるがどうだろう…)

ついでに「変形ジャケットの世界」もぜひ。変形は紙面やブログ上で写真だけ載せて説明するのは辛いけれどこうして映像でやられると一発だから…。
posted by Denny_O at 07:48| Comment(1) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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