'89年のドリー パートン盤が意外やジョン コッシュの仕事であった
この時期にはグラフィックワークからほぼ fade out してビデオの
ほうにシフトしていたコッシュと思われる 意外な人のデザイン仕事は
どういう経緯か想像しにくい
全盛時の 一目でコッシュ…という「らしさ」はないが
モチーフであった古き良きハリウッド≠ヘ充分感じさせるデザイン
(ドリーはカントリー畑のSSWだがヴィジュアル的には この
ゴージャス感覚が似合う_華がある人)
Limousine を Limozeen としているのはよく分からないが
「真っ白いリムジンから降りたスター 自身の映画のプレミアム
上映シアターへ駆けつける」…レッドカーペットといい
ハリウッド感満載の構図で一発撮影のジャケット

(A)

(B)
さてここで問題アリ
コッシュがアルバムグラフィックからリタイアしていったのは
そのサイズ_30cm四方で存分にその力を発揮してきた彼としては
CDサイズは耐えられなかったからだろう
そこでこのジャケットだが…
時代はCD優位になりつつあった頃の作品 なので画像検索しても
ほぼ(A)の「CDジャケット」が出てくる
しかし小ロットではあっただろうが(B)のアナログ発売も
されたようだ
アナログ時代 コッシュの特徴として「天地左右ワク囲み」が
あったがここでは LPのほうは 左右のみを囲っている
問題はここ
左右にバーを入れたことで当然 CDとLPとでは写真の
トリミングが変化している_CDでは バーで隠れていた部分まで
出てしまった
車の後ろの観衆だが CDは 端に人物が足りていないので
一気に寂しくなってしまったではないか!
当然コッシュとしてはLPのトリミング≠想定してデザイン
したジャケット…であったことは想像に難くない
ところが市場に出回るCDでは コッシュの意図など
無視した_たぶん連絡もなしに勝手な変更をしたものと見る
「これじゃダメだっつぅ〜の…」
コッシュの嘆息が聞こえてきそうな トホホな顛末