2011年07月05日

muscle/Bob Seger


Bob Seger - Back In '72.jpg

#146
【Bob Seger/Back in '72】
produced by Punch & Bob Seger
( '73 Palladium/Reprise)
< A : ★★★>

なんともレアな盤、知り合いから「音だけ」いただいた。
長年 want list に入れていた「マッスル=ピート・カー」盤の一枚。

ボブ・シーガー。このデトロイト・ロッカーは、Silver Bullet Band を率いてチャート常連になったロック・サクセスのひとりだが、修業時代があってボブ・シーガー・システム名義やらソロやらで数枚のレコを発表、その後にブレイクしている。けっこう下積みが長かった。

タイトルが【Back in '72】というこれもその一枚。72年録音で73年初めのリリース。これがどうにも見つからなかった。レアな理由のひとつはレーベルがシーガー自身の Palladium だったから(配給は Reprise を通している)。玉数が滅法少ない。

シーガーは、白人ロッカーで…いや白黒含めて、最も多くのマッスル録音盤を残しているアーティスト(意外に思われるはず)。どの盤も必ず地元デトロイトとマッスル録音、二本立てでアルバム制作していた。この盤はそこにオクラホマも含まれ、三カ所録音盤。

どのアーティストでも修業時代のリリースで気に入らないレコが一枚や二枚はあるだろう、シーガーにとってはこれ。なのでCD許可は一切出していない…はずなのに08年にCD発売、それもボートラ付きで! 南米はアルゼンチン盤。そんなバカな…。

彼の地の Lost Diamonds というレーベルだが、デジパックでぱっと見は正規盤ぽい。丁寧にノイズリダクションしているが、これは盤おこしのブート、間違いない。(そんな駄盤がすでにプレミア価格になっている)
調べれば、あのペイジ先生が激怒して回収させた "Live Yardbirds featuring Jimmy Page" も「CD化」しているレーベルというのだから開いた口がふさがらないワ。


シーガーが「なかったことにしたい盤」のわりには、悪くない内容。
全9曲にボートラ4曲のCD。ボートラうち2曲は歌っているのがシーガーじゃない、まったく関係ない音源(シーガーがちらっと参加しただけのデトロイトのgarage bandあたりかも)を収録。
本編の9曲はなかなか聴かせる。カバーが3曲、オールマンズ/フリー/ヴァン・モリソン

セッションメンツも興味深い。
オクラホマ録音はレオン・ラッセルの持ちスタジオ Paradise Studio
JJケールが "midnight rider" でギターを弾く。クラプトンバンドとなった Dick Sims, Marcy Levy, Jamie Oldaker らオーキー・ギャングも参加。
デトロイトでは、Scherrie Payne がコーラス参加。ペインはフリーダ・ペインの妹、ダイアナの代わりにスプリームスのリードボーカルに入ったシンガー。



聴くかぎりマッスル録音は3曲。なかでこれがいい!タイトルトラック。
クレジットではマッスル四人衆/ピートのバック、このリードギターはピート・カー
72年ではマッスルへ移ってさほど経っていない頃だがすでにこのギターを、たたみかけの四連符フレーズを弾いている。この曲の次に、ジェリー・ゴフィン曲 "Set Job" (【it ain't exactly entertainment】収録) を聴いてもらいたい。



ちなみにこのシーガーの代表曲もマッスル録音、リードはピートが弾く。


++++++++


ここではっきりさせておきたいのが、ジミー・ジョンソンのこと。この先生、まずギターを弾かない人ということ。
フェイム時代は仕方なしに弾いていただろうが、マッスルスタジオとして独立してからはまず弾かない。クレジットはあってもマッスル盤の八割方はピートがひとりで重ねているのでは。
ではジミーは何をしているか。卓がいじりたい人だね、きっと。といってエンジニアのクレジットもほとんどなかった。remixing, mastering などポストプロダクションにも興味が無かったんだろう。あくまでセッションの現場で、ギター・ブースではなくてコンソール・ブースのほうにいて卓をいじりたがった人だったろう。

そこへいくとピート・カー、エレキ/アコギ/ドブロ/スライド…ギターは上手いし卓いじり(ポスプロ含め)もOKでプロデュースもこなした…ジミーよりよっぽど才人なのだ。
マッスルはフッド/ホーキンスの抜群のリズム隊がいたとはいえ、アレンジを仕切ったバリー・ベケットとピートのギター…この二人の head arrange が「マッスル・ショールズ」を輝かせていたとワタシは信じるわけヨ。
しかしピートはスタジオ・オーナー四人衆よりも歳も若いし(童顔だし)、オレも加えて五人衆にしてくれろなどとは口にしない、奥ゆかしい性格であったのだ…と思う。そのギターがたいていジミー・ジョンソンと勘違いされていてもなんら気にしなかっただろう。
(まあそれが歯がゆくてワタシはこんなに入れ込みサイトをやってるんだが…)

ちなみにほとんど弾かないジミーだが、弾くときはまずハイポジション/たぶん7フレット以降あたりはまったく指が行かないギタリスト。トワンギーなローポジション・ギタリストだったと想像している。
ポール・サイモン[僕のコダクローム]、これをヘッドフォンつけて聴いてほしい。ここでピートはアコギのみ(右チャン、左はポール)。薄〜く聞こえるエレキがジミー。低いでしょ。しかしこれがあるとないでは大違い。マッスル暮らしは伊達じゃなく、ツボは心得たギタリストともいえる。


posted by Denny_O at 07:03| Comment(2) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月25日

マッスル/ドンデ物


#145
【Johnnie Taylor/Rated Extraordinaire】
produced by Don Davis
( '77 Columbia)
< C : ★★>

ジョニー・テイラー、マッスル物として取り上げるのはこれで5枚目か6枚目か。
マッスルひいき筋は確か。本人よりもプロデューサーである Don Davis の好みなのだが。
マッスルびいきのプロデューサーといえばまずジェリー・ウェクスラーしか名前が出ないだろう。特にロックフィールドから見れば…。

が、マッスルを掘って分かったのがこのドン・デイヴィス、それと Brad Shapiro の名前。この二人がウェクスに負けじとマッスルでレコード制作/録音を行っていたということ。大半はブラックアーティスト盤。


ジョニーの、過去取り上げたアルバムはじつは全て処分した…手元には1枚も残していない。
歌は上手いし声もいい。が、この人のベストはやはりStaxの初期時代、"Who's making love" あたりが抜群なんだが…。[ディスコレイディ]のミリオンヒットはこの盤の前年76年だが、CBSでは時代にスリ寄りすぎ感がありあり、どうにも気分が乗らない。
この盤もそんな一枚であるな、可もなし不可もなしの楽曲が列ぶ。

クレジットが、プロデューサー名以外に一切ない。が、ドン・デイヴィス仕切りならば他盤同様にシカゴ/マッスルの二カ所録音であるはず。


johnnieTaylor_extra.jpg

黒バックのジャケは ring wear が目立つのが常。しかしこれは安レコだったがコンディション良し。
ジャケットは素晴らしい。気品というか品格というか、仕上がりのグレードが高い。これはCBS盤、アルバムデザインの第一人者といっても過言ではない John Berg による。
広めのスタジオでの撮影、切り抜きでないフォトだからそうとう照明に気を遣わなければこうはならない。Stax盤あたりとは格が違うなあ。



posted by Denny_O at 06:22| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月23日

Kosh / Planet


最近のネタがらみで、コッシュ・デザインがあったので入れておこう。

まずカーラ・ボノフ
69年に結成したBryndle は、カーラ/ウェンディ・ウォルドマン/ケニー・エドワーズ/アンドリュー・ゴールドの四人組。
グループとしては結果を残せなかった(後に再結成)が、ロスの仲良し組として互いの関係は続いてゆく。ケニーが組んだストーン・ポニーズからリンダ・ロンシュタットという才能が開花したのでリンダの成功に皆がからんだ70年代。

カーラもリンダへの楽曲提供から自身のデビューへと。
この2枚目がコッシュによるジャケット。まさにコッシュ節と呼ぶにふさわしい仕上がりは、リンダ盤【風にさらわれた恋】【夢はひとつだけ】あたりと並列するコッシュ・ワークなので当然リンダ経由での仕事だろう。


KarlBonoff.jpg

Restless Nights / ささやく夜】('79)

列車のコンパートメントだろうか。ひとり傷心のまま夜行列車で旅立つところ。蒸汽をあげ、いままさに出発する…5〜60年代の映画によくあったような設定/ストーリーテリング? これも、Stephen ビッシュ盤と同様な、映画男コッシュの面目躍如。



それと、「つまらなくなったポインターシスターズ」と書いたポインターズ盤。
アラン・トゥーサン曲 "yes we can can" でシーンへ登場してきた四人姉妹は、マリア・マルダーが道を開いたノスタルジア路線とブラック・グルーヴをいい塩梅に混ぜて「これは本物!」と皆を唸らせた。
もともとシスコにほど近いオークランドの出身、エルヴィン・ビショップのバック・コーラスをやっていた時に、Moby Grape のプロデューサー/デヴィッド・ルービンソンに認められてデビュー、フリスコ色が濃くいい感じに freewheelin' なグループだったが、ビッグヒットが欲しかったのかロスへと移って豪腕リチャード・ペリーのもとへ。
ヒット・メイカーとして業界の顔だったペリーが興した Planet レーベルの第一弾として、確かにヒットは連発するが狙いが見え見えのディスコヒットばかり、つまらなくなった…。

そのプラネットのアートディレクションを仕切ったのが KOSH だった。レーベルは短命でさほどリリースはないが大半はコッシュ。



pointers_energy.jpg
Energy '78

舞台裏だろう、リンダの【夢はひとつだけ】同様のロケーションであり書体に飾り罫線/囲み枠といい、これはコッシュらしいジャケだが…。

pointers_priority.jpg
Priority '79

pointers_excited.jpg
So Excited '82

写真はごぞんじノーマン・シーフ。はて、シーフとコッシュは…初顔合わせ? ここらあたりからはかつてのコッシュ節≠ヘすっかり影をひそめた、凡庸なジャケに。


pointers_break.jpg
Break out '83




sharpCuts_kosh.jpg

Sharp Cuts '80

サブタイトルに "new music from American bands" とあるように時代を見据えた…というより流行りに乗り遅れまいとしたリチャード・ペリーのあがきだろうか、パンク/ニューウェイヴ/パワーポップの無名バンドのサンプラー盤をプラネットが出した。収録うちでは、ワタシもひいきの dB's が唯一知られるバンドかも。
当時このジャケットを手にしてコッシュの名前があってずいぶんと驚いたもの。
バンド名の切り貼り、タイトルはコピー機にかけて荒くするなどコッシュらしからぬパンキーな仕上げで…。


リンダの80年盤【mad love】がやはりパンク/パワーポップを意識したレコだったがそのジャケ、コッシュによるが、やはりそれ風の出来。
音楽業界全体の動向に、コッシュもパンクの波とともに変化せざるを得なかったという感じがする。

posted by Denny_O at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウィッシュボーン制作


HOT_muscle.jpg

#144
【HOT/strong together】
( '79 Big Tree)
produced by Terry Woodford & Clayton Ivey
< ー : ★>


誰に頼まれたわけでもない、自分で好きにやっている…それなのに何に押されるのか、こういう駄盤へも手が伸びてしまう自分が悲しい。

ピート・カーが参加しているわけでも、マッスルスタジオ録音でもない…それでも買ったのは「マッスル盤」だから。HOT なる三人組レコが目に入ってしまったわけで。

マッスル録音といって、Muscle Shoals Sound Studios でもなくFame Studio でもない盤…これはマッスルBチームの拠点ウィッシュボーン録音盤。

マッスル・アーカイヴを掘りまくって分かってきたことのひとつ、マッスルの地にある Wishbone Recording Studio は Wishbone Production Inc. を主宰するふたり、Terry Woodford & Clayton Ivey が経営するスタジオだった。
ウッドフォード/アイヴィ組の仕事も「マッスル盤」ということ。

ウィッシュボーン組は Ruben Howell /シュープリームスなどモータウン仕事があった。ほかにもあったが「これは」という盤はない。
マッスル四人衆はこのコンビの仕切り盤にはほぼノータッチだがピートはかけ持ち、こちら盤でも弾いたし本人のソロ/ルブラン&カーでもこのスタジオを使っていた、かな。

79年盤、ジャケでお三方のノーブラが分かります…いや、ブラジャーしててもらって構わないんスが…。
見るからにつまらなそう、しょ〜もない音が想像できるジャケ盤は、聞けばやっぱりそのとおりで…。
つまらなくなった時期のポインターシスターズをよりつまらなくしたような。
ちょいダンサブルなディスコ受けとミディアム/スローが並ぶ、凡庸な出来。メロに光るモンが皆無なので困ってしまった。

HOT、このレコが三枚目だそう。で、77年ファーストからのシングル "Angel In Your Arms" がなんと全米6位のヒットだったそうな。前2作もウィッシュボーン組のプロデュース。
ウィッシュボーン盤として最大ヒットシングルは、作もウッドフォード/アイヴィが共作に名を連ねている。
レーベルがAtlantic傘下のBig Tree。ピート・カー/ルブラン&カーの盤も同様だったから、ジェリー・ウェクスラーがらみでのマッスル関連、その一派にHOTも含まれる。

http://whink.seesaa.net/article/155141739.html

アーカイヴとしてはこういう駄盤も入れておくべきだろうか。シュープス盤は入れなかったが…これは記録として入れておくことに。



posted by Denny_O at 05:48| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月21日

Final Eagle


コッシュ項目がしばらく開いてしまったのは、エラそうな物言いができるのかてな気にもなって…偉大なる才人にたいして自分はなんと小さく、しょ〜もない仕事しかやってないことよ、比ぶべくもないのは承知のはずだが一応は同業なので…。プチ自己嫌悪。
それはグリフィンとて同じ事。

しかし雑誌に書いたりしたら恥ずかしくてならないがこんなブログならば…ま、いいか(と開き直る)。

The Eagles 【The Long Run】
gatefold inside... はメンバー五人の写真一発だけだった。それも暗いトーンの。

だいたいこのアルバムの重苦しさは何なのだろう。「ホテカル」でピークに登りつめて後、すっかり自分らの立ち位置を見失った、そんな体。
それをヴィジュアル化しているという意味でやはりコッシュは凄い。
黒基調、モノトーンは「幕引き」をイメージさせる。

B4盤、録音は「アビイロード」より前とはいえ結局ファイナルになった【let it be】。コッシュはこれぞ栄光のB4ラスト盤≠ニしてデザインしたはず。で、やっぱり黒枠囲い。エピタフ…。コッシュは「おくりびと」であった。

イーグルス、【on the border】も買ったけどその盤とは同じバンドとは思えない、こちらは静寂、静謐…こりゃU2「ヨシュアツリー」のよう。
SDのファイナル盤【ガウチョ】にも近いね。

お分かりですね、SDはそれにて終わった、同様にイーグルスもここで終わった…。
どちらもその後に「同名バンド」を名乗る輩がいるらしいが、そりゃきっとヨシュアツリー公園で夜な夜な踊っているゴーストですゼ、間違いない。

eagles_runB.jpg
eagles_runA.jpg

「ロングラン」。もっともコッシュらしいのは、美しいのは…ラベル両面。書体、文字配置の美。
グレーとブラックでAB面。AでなくてBがブラックということ、まさにここで Final を示す。The End

posted by Denny_O at 07:44| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月08日

#143_Miami Disk


バクスター_ギター講座 "Popcorn"





bettyWright.jpg

#143
【Betty Wright/I love the way you love】
( '72 Alston/ATCO)
< C : ★★★>


ひさびさのピート・カー物。

ちょいと前に書き込んだ、ベティ・ライトの72年盤。
オリジナルが高値になっているのでパスしていたらリイシューアナログが¥1500でアマゾン・カタログにあると聞いてオーダー。
が、期日になっても届かない…メールで入荷遅れとのこと。それが二度繰り返されたので、こりゃもう来ないだろう/プレスした在庫はハケテしまったナと踏んでおりました。
ところが先日ちゃんと届きました、それは嬉しかったが…。

一聴しての印象は…ツマラナイねぇ〜とがっかりであった。
しかしこういうコクのあるお皿はじっくり味わうことがマスト、何度か聴きかえすうちにじわじわと養分が溶け出して…。
最初は特徴のない、魅力のない声と感じたものが結構イケるぞと。

バックメンツが多数、ベース/ギター/キーボードが各4人、ドラムは5人も明記されている。ギターにピート・カー(ここでは Jess "Beaver" Carr)、ドラムにジョニー・サンドリンがあることは前述。

録音スタジオの明記はない…が、マイアミは確か、たぶんクライテリアでしょう。もしくはその近くのローカルスタジオ。ホーンが Memphis Horns だがそのアレンジはクライテリア座付きアレンジャーの Mike Lewis が手がける。

カバー2曲、モータウンチューンの "I found that guy" と、ビル・ウィザーズ "Ain't no sunshine" 。

ピートのプレイは…分かりません。それらしい箇所なし…。
さて大ヒット曲「クリーナップ・ウーマン」で、ピートは "popcorn" を弾いているんだろうか…。


+++++++

届いた時にファクトリー・シールドだったが、そこに小さなシール貼りで manufactured by Rhino Records となっていた。ライノによるアナログリイシューだった。
しかしジャケはまったくいじられてない、レコ番号もオリジナルままの SD 33-388 。分かる人は分かるね、 ATCO の連番のひとつ。
なのにレコ・ラベルは ALSTON になっている(これが手書き風で実にイナタい!)、ATCO のレーベルデザインではない。
(P) Atlantic Recording Corpration の文字もあるし、住所はNYのアトランティックの場所。
ALSTON は Atlantic ( ATCO) 傘下なんだろうがこれ以外にアトコ番号のレコは無さそう…不思議なレコだ。

この盤のプロデューサーであるクラレンス・リード(&ウィリー・クラーク)のソロ盤が69年に出ているが、それは ATCO SD 33-307 とある。 当時、シングルは Alston label からかなり出しているらしいがLPではアトコを使っているようだ。
このLPも一応ピート参加らしいのでチェックに入れているんだが、アナログはやはり高いし、CD化は何度もされている割にはまったく中古で見ないので未聴。


++++

このベティ・ライト盤、ベースのひとりに David Brown の名がある。
ブッチ・トラックス(ex Allmans) 、スコット・ボイヤー(ex Cowboy)と三人でフロリダ・ベースのバンド The 31st of February としてアルバムを68年に一枚残した過去があるベーシスト。
そのセカンドLPのセッション中に、ロスでのバンド Hourglass がコケてフロリダへ戻っていたオールマン兄弟が参加したことも知られる。ピート・カーはそのコケたアワーグラスの二枚目がレコーディング・デビューであったから、オールマンズ/カウボーイ、メイコン・リズムセクションがフロリダを起点として活動が始まったことが分かる(アラバマのマッスルへ行ったデュアンとピート・カーも地元はフロリダ)。
さてデヴィッド・ブラウンだが、その後に西海岸へ渡ってボズ・スキャッグズ・バンド〜サンタナへ参加とされるのが常なんだが、どうも違う気がするのだ。
あまりに普通な、ありそうな名前ゆえの同名異人じゃないかとずっと疑っている(それがどうした…?)。


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2010年11月29日

Kosh_B4


letIt_LP.jpg

ファンならばいろいろと語りたくなるもの、ひいき筋を。話しが膨らむのは思い入れゆえか。good old ポールの死亡説、のように何やかやと…。

この盤も、そのジャケをやれ終焉を意味して黒枠だのメンバーの顔の向きは…などと語る輩も少なくないのでは。

わたしゃそれほどの「意味」はないと思っておりますヨ。
このコッシュ・デザイン、彼としてはたんなる「サントラ盤」としての仕上げと思う。黒枠は…デザイン仕事でラフ案をクライアントに見せるとき(プレゼン)はブラックボードに貼るもんで、それは色をより鮮明に見せるための仕様、この場合も写真をハッキリさせたかっただけじゃないのかな。
写真にしても、この頃はすっかりやる気なしのB4だったろうから、ジャケのためのフォトセッションもなし、しかたなしにライヴ風景を撮るしかなかったのだろう。なのでブレやらピントの甘さが相当あって、コッシュとしては「まあ使えるったらこの程度だよなあ…」とやむなく選んだ4枚を並べた…(違うか?)。

気になるのは、わざわざ黒バックにしながら白のオモテケイで囲ったこと。これは無しでしょ、ケイがないほうがよっぽどシャープだったろうに。たしかにこの黒に白で陰気な感じはしているか。

そのケイが、より太いのが難点ではあるけれど、この東芝盤シングルは、家にはレディマドンナもヘイジュードもあったが、身銭で最初に買ったB4のレコゆえに愛着あり。英盤もこのスリーヴなんだろうか、セピア色調…こっちのほうが「気分」だった。トリミングも違う。
これもコッシュ・ワーク?

LetItBe.jpg


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2010年11月28日

kosh_linda cont.

linda_USA_front.jpg
Living in the USA ('78)

この盤あたりはもう「国民歌手」宣言のようだったな。しかし、セールスとしては申し分なしだが時代とのズレが若干生じてきた感もあった。ジャケもいまひとつ…流行だったローラースケートってのもちょい無理あったでしょ。

これは、「Simple Dreams」と続きのような見開きの内ジャケがいい。これを表でよかったのに…。

linda_Simple_jn.jpg

linda_USA_in.jpg

Click_(up: Simple Dreams / bottom: Living in the usa)


この後もリンダ盤はほとんどコッシュの手によるが、この盤、ベストゆえ注目されないがデザイン的にすばらしい。角保護を模しての書籍表紙というコンセプトなのだろう。古〜い上製本か。そのための表面のエンボス処理がコッシュらしいこだわり。皮革らしい手触り…これはアナログを持ってもらわないどどうもならんでしょう。

linda_best_front.jpg

linda_best_surface.jpg





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2010年11月27日

カリフォーニャホテル

eagles_Cal_front.jpg

「Simple Dreams」の前年だがコッシュはこのメガヒット盤も手がけた。それと前に入れたロッド盤(77年)を再度ここへ。なぜならこの3枚、イーグルス/リンダ/ロッド盤は非常に近く感じる、ワタシには。ほぼ同時期に同じモチーフで仕上げた…同じ「匂い」のする三つ子盤。



Beverly Hills Hotel に象徴される、まさにハリウッドの「匂い」が漂う。
コッシュにとって、やりたかったことが許される位置までたどり着いたというべきか…ピークはこの頃でしょう。

この盤で、オリジナルUS盤はオマケに三つ折りポスターが。それは当時すでにロックフォトのトップに立っていたノーマン・シーフ撮影によるものだが、それでもジャケはシーフのフォトではなく、自分のディレクションで押し通せるだけの実力を示せたコッシュ…!

スパニッシュ・コロニアル調ビヴァリヒルズ・ホテルをホテル・カリフォルニアという架空ホテルへと置き換えての撮影。世界中でどれだけの人の目に触れ、手にされたジャケットだろう。
右下、バックミラーへの映り込みのような体裁にしたタイトルだけでバンド名なし。実際の映り込みならミラー反転のはず、あくまでモチーフ。Hotel California はネオンサインの実物をわざわざ作ったようにも見せているけど、どうでしょう…ワタシはこれは「イラスト」だと思う。
裏ジャケのシャープな写真にたいして(もちろん夕暮れで光量調節の難しさもあるが…)表はリンダ盤同様な粗めな写真、ここも共通項になっている。その色調はロッド盤と非常に近い。ロッド盤には後のアルバムジャケでそのまんまがあるが、このコッシュデザインでもロッドの頭髪を椰子の木とシンクロさせていると思うんだね。

eagles_Cal_back.jpg

eagles_Cal_inside.jpg

表ジャケ/裏ジャケ/内見開き、それに内袋。それらがトータルでコッシュ・デザイン。
このレコは特に内袋が秀逸。
前を見直してもらいたいのはコッシュによるアンディ・フェアウェザーのソロ盤。そこに書いたように、粗めのエアブラシというモチーフがここで活きている。

eagles_Cal_sleeve.jpg

eagles_Cal_sleeve_cut.jpg

※ each click for detail
posted by Denny_O at 05:18| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月26日

Kosh とリンダ

リンダ・ロンシュタットのジャケット群がコッシュのピークであったと前に記した。それはリンダ本人がシンガーでありながらビシュアルにも相当の意識を持っていた…みごとに女優を演じたからだ。ゆえにコッシュにとってリンダは最高の「素材/モチーフ」たり得た、仕事をしていて楽しくてしょうがなかっただろうな。
コッシュ/リンダ/(ピーター)アッシャーのgolden triangle 。

linda_prisnerPoster.jpg

コッシュによるリンダ盤は75年盤「Prisoner in Disguise」から。
これは手始めということで置いておきましょ^^。裏は大きなアップなのに表のリンダが小さくて、レコ会社としては販促に苦労した様子。後のCD等ではかなりトリミングされているのかな。これは販促ポスターだが、あたらに手を加えたデザイナーの気持ちがわからないでもない。

linda_hasten_up.jpg
Hasten down the wind ('76) ※click

このジャケがいい。
これ、カウボーイ映画を映しているスクリーンの前にリンダが佇んでいるようには見えないだろうか。実際は、内見開きと裏の写真から浜辺でのロケだと分かるが、ワタシにはそう見える。
前述のとおり、黒いフレームによって(トリミングによって)「スクリーン」を強く意識させるから。映画を感じるのだ。つくづくコッシュらしいと思う。

linda_Simple_up.jpg
Simple Dreams ('77) ※click

個人的にはコッシュの、これがリンダ・ワークとしてはベスト(変形ジャケは別にして)。増感処理か赤外線フィルムか、荒い画像ゆえに一般的には注視されにくい作品だがメイクルームでの一コマ、これぞまさにリンダが女優になりきり撮影。見事なまでの鏡のアールデコ仕様が際立つ。Beverly Hills Hotel ("Hotel California") あたりでのロケだろうか…、そうとう由緒ある建築物の中だな。

posted by Denny_O at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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